南大隅町根占山本の船石川で発生した土石流災害の復旧作業に、地域の建設業が機動力を発揮している。現場では連日、地元業者が一体となって、通行止めとなった国道の土砂除去や大型土のう設置等の応急対策に従事。地域住民の生活を守ろうと必死の作業を続けている。
県砂防課によると、8日までに着手した応急対策工事は、暗渠工(国道横断)の閉塞解消のほか、大型土のう設置による下流部流路工両岸の護岸かさ上げや1号えん堤の右岸袖部のオーバーフロー対策(導流堤)、大浜川の崩落土砂対策−など。監視場所は宮田小学校に仮移転し、監視やぐらの適地調査や監視カメラの映像配信も開始した。
現場では、地元の建設業者やコンサルタントが連携して復旧作業に尽力。9日も30〜40人が出動し、国道269号まで流れ込んだ土砂の除去作業や大型土のうの設置、各個所の監視に取り組んだ。
復旧作業に携わった成武建設鰍フ森昌幸専務取締役は「まずは住民の生命線となっている国道の通行再開が第一。地元業者としての責任感を胸に総力を挙げて取り組んでいきたい」と話した。
台地の頂上付近から数回にわたって発生した土石流は、二つの砂防ダムにたまった土砂を押し流す形で海沿いの国道まで到達。集落の住民は、集会施設や親族の家などでの避難生活を余儀なくされている。
県では7日、鹿児島大学の下川悦郎教授や国土交通省の関係者らを招いて現地調査を実施した。土石流発生の要因について、「地下の深い部分にたまった水が行き場を失って起こった深層崩壊≠フ可能性が高い」と指摘し、再発にさらなる警戒を呼び掛けている。
且ュ児島建設新聞