静岡県は、9月4日、5日に実施する2010年度の事業再評価「事業仕分け」対象事業として、県営漁港整備事業費やブロック塀等耐震化推進事業費など建設関連28事業を選定した。今回は政策的経費を中心に事業を抽出。公共部局である交通基盤部関連では、社会資本整備総合交付金事業をはじめ24事業が盛り込まれた。文化・観光部の私立学校地震対策緊急整備事業費助成、経済産業部のしずおか優良木材の家総合支援事業費助成などが対象となった。2009年度の仕分け対象と同様、すでに複数年で進めている交付金・助成事業が主な対象であるため、今回の仕分けで11年度以降の実施方針がどのように判断されるのかが注目される。
今回、対象事業に選定したのは10部局・103事業で、総額2504億円。県の裁量の余地が大きい政策的経費のうち、文化・研究分野を除いた事業を抽出した。09年度の仕分け対象事業の総額(531億3009万円)と比べて、約4・7倍の事業規模となる。
前回と同様、外部の専門家(政策シンクタンク・構想日本)や一般公募した県民が仕分け人を務める。第三者の視点から、事業の必要性や実施主体など事業本来の在り方を公開の場で議論。事業ごとに「不要」「民間が実施すべき」「国が実施すべき」「市町が実施すべき」「民間能力を活用(アウトソーシングなど)」「県で行うが改善が必要」「現行どおり継続して実施」 などの区分で評価する。
対象事業を部局別で見ると、道路改築や交通安全施設、河川、港湾、街路など9工種の「社会資本整備総合交付金事業」をリストアップした交通基盤部が24事業で最多。次いで、経済産業部(19本)、くらし・環境部(15本)、健康福祉部(14本)、文化・観光部(10本)と続く。
主な交通基盤部関連事業では、県営漁港整備事業費(12億7400万円)、県営農業基盤整備事業費(54億1700万円)、県単独治山事業費(9億8600万円)、県単独林道事業費(1億6400万円)、農地防災事業費(6億5100万円)、県単独道路整備事業費・道路調査費(4400万円)などが対象となった。
仕分けした結果は10〜11月をめどに公表する予定で、11年度の予算編成に反映させる考えだ。
建通新聞社 静岡支社