山武郡市水防連絡会(会長:石井正一・県山武地域整備センター所長)による「2010年度水防訓練」が13日、東金市浄化センター敷地内で行われ、山武地域整備センターをはじめ消防団を含む管内市町職員と、(社)千葉県建設業協会山武支部会員の総勢約80人が参加した。
この水防訓練は、水害時における公共土木施設の機能確保のため、円滑な水防活動が行えるよう訓練し、必要時において迅速かつ的確に対応することを目的としたもので、管内の市町が持ち回りで実施しているもの。今年の実施主体は東金市。
訓練に先立ち、主催者を代表して石井会長の代理で出席した井上幸夫・同センター主幹があいさつ。
石井会長のメッセージとして、「当地域では最近、大きな水害に見舞われていないが、3日に南九州地方、4日には東京で局地的に1時間で100_を超す猛烈な雨が降り、河川が溢れるなどして付近に大きな水害が発生した」としたうえで、「当センターの職員や市町の職員は無論のこと、水防団員は水防法に定められた非常勤の特別職の地方公務員であり、建設業協会は県と災害応急対策協定を取り交わしており、災害の発生を未然に防止し、被害を最小限に食い止める責務がある」と弁。
さらに、「我々は、いつ襲って来るかわからない水害に備え、住民に『安全と安心』を与えるために日常の準備と心構えが必要。本日の水防訓練を真摯に受け止め、『郷土愛の精神』のもと、怪我のないよう水防技術の習得に努めて頂きたい」とのメッセージを代読した。
引き続き、開催市を代表して、東金市の志賀直温市長の代理で出席した八田稔副市長が、「いざという時にご尽力頂けるのは、ここにいる皆さんである。日頃から訓練を積み、県をはじめ市町の職員、消防団、建設業協会の方々が連携を取り、その時のために活動していることを心強く感じる」としたうえで、「今日の訓練でも学ぶべきものが多いと思う。その成果を普段の業務や災害時の業務に役立てて頂きたい」と述べ、あいさつとした。
一方、業界を代表して千葉県建設業協会山武支部の長谷川富美夫・副支部長=写真中央=は、「この訓練は誠に大事なものであることから、力を込めて一所懸命頑張りたい」としたうえで、「我々は建設業として、いつ何時災害が起きても、必ずや皆さんのためになるように、挙って建設業の力を発揮したい。また、県及び東金市と我々協会とは災害協定を結んでいることからも、市民のために力を合わせて、皆さんと一緒にこの訓練を成功させたい」と述べ、あいさつに代えた。
訓練想定は「千葉県北東部に大雨洪水警報が発令され、東金市内を流れる二級河川真亀川が増水し、堤防から越水の危険性がある一方、堤防から漏水した」というもの。
この後の水防訓練では、訓練実施班員を3班に編成。まず、基本(準備)となる「土のう作り」として、600袋(のちに1300袋に増加)の土のうを作成し、水防工法として「積土のう工法」(3段積み)と「月の輪工法」を完成させた。
実施本部長として訓練を見守った八田副市長は、「今日の訓練が被害の軽減に繋がり、貴重な市民の生命と財産を少しでも守ることが出来れば幸い」と弁。
また、水防訓練の講評として井上主幹は、積土のう工法などの出来映えについて、「河川を管理している者として大変心強く感じた。これから台風シーズンを迎えるが、良きパートナーとしてよろしくお願いしたい」と総括し、約2時間半に及ぶ水防訓練を終えた。
提供:日刊建設タイムズ