県土木部はこのほど、平成22年度の総合評価方式実施方針をまとめた。今年度は、一般競争入札工事の半数以上で総合評価方式を実施する考え。そのほか、評価項目や評価基準などに一部改正を加えている。この実施方針はことし6月1日から適用済み。
総合評価方式は、公共工事の発注において企業の実績や技術力など価格以外の要素を含めて落札者を決定するもの。平成17年度から順次試行の実施拡大を進め、21年度には170件程度の実施方針に対し166件の工事で総合評価を実施した。
これに続いて、今年度の実施方針は一般競争入札工事の半数以上で総合評価方式を取り入れることとしたが、具体的な数値目標は示していない。
そのほか、県外業者を対象とした工事で、県内下請け業者を活用した場合の配点を改正。500万円以上の一次下請負契約があれば件数に限らず2点としていた配点を、1件であれば1点、2件であれば2点と細かく設定し、地元企業の受注機会がより確保されるようにした。
また、新規雇用評価の中身を改正。従来、1カ月としていた雇用期間を3カ月以上に変えて、より雇用を継続する企業を優遇するようにした。その一方で、3点という大きな枠を2点に狭めている。
さらに事務の改善として、電子入札システムにおける技術資料添付のデータ容量を、従来の1MBから2MBに拡大している。
基本方針は次のとおり。
◆実施方針
◇平成22年度の土木部の総合評価方式は一般競争入札工事の半数以上の実施を予定する。
◇1億円以上の工事は原則、総合評価方式による発注とする。
◇1億円未満の工事については、一般競争入札案件から対象工事を選定して総合評価方式による発注とする。
◆事務の改善
◇電子入札システムにおける技術資料添付の容量を拡大する。
◆評価項目、評価基準等の改正
◇地元企業の受注機会のさらなる確保のため、基準等を改正する。
◇新規雇用評価は雇用対策のため継続するが、配点を改正する。
◆市町村への支援
◇総合評価方式導入市町村の拡大と実施市町村における試行定着を図るため、引き続き、制度説明、実務研修会等の開催、県で委嘱する学識経験者の市町村共同活用等の市町村支援を実施する。
提供:日本工業経済新聞