県防災新館整備等PFI事業審査委員会で審査を行った結果、清水建設グループの提案が最優秀に決まった。落札額は129億5446万5423円−にのぼる。
これは横内正明県知事の定例記者会見で明らかになったもので、同入札には清水建設グループのほか、YBSMグループが参加。価格評価点は両者とも、殆ど変わらないが「防災新館整備業務」と、「防災新館運営業務」で差が開いた。今後、8月に清水建設グループと仮契約を締結し、9月定例会への契約議案を提出し、平成23年10月頃から工事に着手する。
清水建設グループには代表企業の清水建設、構成員の東急コミュニティー、協力企業のUG都市建築、石本建築事務所や、県内の国際建設、セコム山梨で構成。
防災新館整備事業内容は、防災新館の設計、建設業務、維持管理業務及び運営業務で、期間は事業契約締結日(10月予定)〜平成40年3月31日までの約17年6カ月間。
同グループの防災新館提案概要によると、鉄骨造地上9階地下2階建てで(高さ39m)、延べ床面積2万8032・89uの規模を想定。
館内の1階に県民利用・商業施設・まるごとやまなし館(県産品PR、販売施設)、オープンカフェ、オープンスクエア、ジュエリーミュージアム、総合観光物産案内センター。2階に警察関連、防災センターなど。3階に教育委員会、4階に災害対策本部関連、5階〜9階に警察本部、地下1、2階は駐車場(来庁者用100台と公用車用90台)を備える。
施設の特徴は、▽9階建ての建物としてことで県庁全体との統一感▽舞鶴城からの景観と調和▽低層化による各階の執務室面積を確保▽ロの字型のセンターコア方式のフロア(課室の移動・変更が容易)▽災害対策本部や消防防災課、治水課など災害対策関係部署を4階に集結し、情報の共有化▽地中熱を利用した空調システムや、雨水利用などの自然エネルギーを積極的に活用(燃料電池システムほか)など−。
また運営業務については、▽平和通り沿いにピロディ形式の「県民ひろば」設置▽建物の3方向に「県民ひろば」、「紅梅デッキ」、「石垣パーク」という多様な憩いのスペース▽通り沿いからも観戦出来る大規模なパブリックビューイングの企画−など、にぎわいの創出を行う。
一方、財政負担の縮減効果では、県が直接実施する場合と、PFI事業による財政負担を現在価値に換算した上で比較した結果、PFIによる財政負担は43%。県の直接実施は133億3800万円で、PFI実施は76億200万円にのぼるという。
このうち入札額は、公募時の予定価格と比較し、40億1100万円の縮減(34・5%)となる。
なお、清水建設グループに対しPFI審査委員会では「一部改善が望まれる点があるものの、山梨県の意図を的確にとらえ、具体的かつ実効性があるもの」と総評した。
提供:山梨建設新聞