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建設経済新聞社
2010/07/05

【京都】二条城保存整備懇談会 修繕工事本格化で新体制 22年度庭園入口塀重門を改修

懇談会の様子
 京都市文化市民局は1日、中京区の京都社会福祉会館で、第6回元離宮二条城保存整備懇談会を開催。議事では、21年度保存事業及び22年度保存整備事業を確認したほか、障壁画の修繕に一定の目処が立ったことを受け、日本美術史が専門の武田恒夫座長が退き、今後本格化する建造物など修繕工事など造園学・ランドスケープデザインが専門の尼ア博正副座長を新座長に選出する新体制で展開していくことが決まった。
 本紙関連では21年度、計画的整備事業として、▽保存修理年次計画策定に係る基礎調査▽観覧ルート沿い石垣詳細調査▽清流園「香雲亭」改修▽建仁寺垣改修▽観覧ルート沿い石垣影響樹木整理―を実施。さらに二之丸御殿遠侍及び車寄ほか10棟保存修理事業では、二之丸御殿で、式台・遠侍及び車寄の現状調査と二之丸御殿全棟の構造補強を含む修理方針等を作成し、本丸御殿では、本丸御殿4棟の現状調査などを行なった。
 また文化財建造物28棟を監視する防犯カメラを設置し、管理棟から被災箇所がモニタリングできるシステムを構築する二条城防災施設等整備事業では、建築工事は京田建設、機械設備を伊藤設備工業所、電気設備をカザマ電気工業及び監視カメラ設置工事(現在、低入札調査中)の4社で23年2月末までを工期に実施する。
 導入される設備は、消火設備で、貯水槽200t、高圧用エンジンポンプ、放水銃(地上式自動首振放水銃1台、高所ポール式自動首振放水銃12台、高所2連式自動首振放水銃4台)、自動火災報知設備。防犯設備で、モニター3台、レコーダー3台、監視カメラ30台以上を設置する模様。
 22年度については、21年度に引き続き、▽保存修理年次計画策定に係る基礎調査▽清流園「香雲亭」改修に加え、新たに▽二之丸庭園入口塀重門改修▽清流園内水車改修を実施。また二之丸御殿遠侍及び車寄ほか10棟保存修理事業については、21年度事業を引き続き継続していく模様。
 事業報告の後、元離宮二条城保存整備懇談会の下に二ノ丸庭園など史跡名勝に係る保存整備事業に関して指導・助言する元離宮二条城史跡名勝保存整備委員会を設置することが報告された。
 京都市の山岸吉和文化市民局長は、冒頭の挨拶で「20〜22年度にかけて耐震専門診断を進め、今年度より本格修繕計画の作成段階まで展開してきた」とし、「築城400年を迎えた二条城を永続的に保存活用していきたい」と述べた。