県富士東部農務事務所(横田達夫所長)は、22年度事業概要をまとめた。今年度は、上野原南部地区を対象とした、中山間地域総合整備事業を、今年度の新規事業として計画。このほか、継続事業として中山間地域総合整備事業を5件、畑地帯総合整備事業1件、農地環境整備事業1件などについても工事進捗を進め、管轄区域内における、農業生産環境の充実を図っていく。
また、同事務所では、農業生産において重要となる、集落道の整備や、生態系保全に係る鳥獣害防止柵の設置についても継続的に実施する。これらの総合的な整備により、農業生産基盤の安定と構築を柱として考え、工事を展開していく構えだ。
主な事業概要は、次のとおり。
◆中山間地域総合整備事業
【富士吉田北部地区】
富士吉田市上暮地の北部地域で進めている、農業生産基盤整備事業。これまでの進捗状況は、農道整備L840m、ほ場整備A15h、農業集落道整備L2194m、集落防災安全施設N2カ所などを実施。今年度は、昨年度に引き続き集落道の整備と、災害時の避難場所としても利用できる農村公園の整備を進め、22年度内の工事完了を目指す。事業年度は、平成14〜22年度。総事業費は、19億3200万円。
【富士北麓水源の里地区】
道志村、山中湖村を対象に実施している、農業生産基盤整備事業。全体計画では、農業用用排水施設整備L1634m、農道整備L1812m、ほ場整備A9・3h、農業集落道整備L1380m、営農飲雑用水施設整備1式、農村公園A4500u、活性化施設1カ所、交流施設基盤整備を整備する計画となっている。22年度は、農業用用排水施設整備、農道整備のほか、鳥獣害防止施設の工事を実施する運び。事業年度は、平成15〜23年度。総事業費は、22億1800万円。
【鳴沢地区】
鳴沢全域において、農業生産基盤整備事業を展開する。昨年度まで、農業用用排水施設の整備として、井戸1式の整備と、農業集落道の整備を実施した。今年度も、農業用用排水施設、農業集落道整備と、ほ場整備の工事を実施する予定だ。事業年度については、平成19〜24年度。総事業費は、9億4400万円。
【大月北部地区】
大月市の北部地域を対象に実施する、農業生産基盤整備事業。これまでの進捗は、農業用用排水施設(L162m)の整備、農道整備(L193m)、生態系保全施設(L8816m)、農業集落道整備(L100m)を進めてきた。今年度は、農道整備事業(橋梁下部工)、集落道整備(橋梁下部工)と、生態系保全施設(L1000m)を予定している。事業年度は、平成20〜25年度。総事業費は、12億300万円。
【上野原南部地区】
上野原市の南部にあたる、島田、秋山などの地域一帯について、今年度から新規事業として実施する、農業生産基盤整備事業。全体計画では、農業用用排水施設(L1640m)、農道整備(L1290m)、生態系保全施設(L26480m)のほか、営農飲雑用水1式を予定。22年度は、農業用用排水施設に伴う、農道整備工事の実施を計画している。事業年度は、平成22〜27年度。総事業費は、14億2500万円。
◆畑地帯総合整備事業
富士河口湖町の南部にあたる、富士ヶ嶺地区を対象に展開している、農業生産基盤整備事業。同事業では、農業用用排水施設、土層改良、生態系保全施設、環境整備のため、集落道の整備を実施するもの。昨年度までの事業進捗では、生態系の保全を行うため、鳥獣害防止柵設置(L7130m)を実施した。今年度も引き続き、防止柵の設置に取り掛かる。事業年度は、平成21〜25年度。総事業費は、8億8500万円。
◆農地環境整備事業
丹波山村全域を対象に、農業用用排水施設や、鳥獣進入防止施設を整備する計画。21年度までの進捗は、鳥獣進入防止施設(L1428m)の設置を実施。今年度も、鳥獣進入防止施設の工事を引き続き行う。事業年度は、平成21〜25年度。総事業費は、2億5700万円。
提供:山梨建設新聞