7月1日の海開きを前に、大網白里町建設業協会(内山弘通会長)は25日、地域貢献活動として「海岸防災施設点検及び白里中央海岸清掃」を行い、同協会員82人(18社)のほか、大網白里町役場職員ら合わせて100人余が参加した。
この日の堀川から真亀川間の延長約4qに及ぶ作業では、会員各社が2dダンプとミニショベル、草刈り機を提供し、九十九里有料道路のアンダーパス(ボックス)内部や防潮ゲート稼動部分に堆積した土砂を掻き出して海岸に運んだほか、アンダーパス周辺や町道脇の草刈り、砂浜や駐車場のごみ拾いを行った。
このうち、区間内に約10か所あるアンダーパス内の堆積土砂の撤去及び草刈り作業では、会員を6班に編成して作業を実施。また、駐車場内に堆積した土砂も作業前日までに1か所にまとめ、十数回にわたりダンプで海岸まで運んだ。
作業に先立ち、主催者を代表してあいさつした内山会長は、「今年2月のチリ地震で発生した津波の際は、街並みが水に浸らないよう、我々はいち早くこの場に集合し、アンダーパスに土のう積みを行った。緊急災害時をはじめ大雨や降雪時に、昼夜を問わず24時間体制で作業にあたる我々の姿が、中々一般の方に理解頂けないのは残念である」と弁。
一方、「地域の公共工事に携わる我々建設業界としては、やはり地域への貢献が一番大事である」とした氏は、「そのためにも海開きを前にこの海岸を綺麗にし、町の観光事業に協力したい」との考えを示した。
さらに氏は、「我々は公共工事を通じて地域に貢献しているというプライドを忘れず、社会に誇れる職業であるとの勇気を持って、これからも公共工事に従事して頂きたい」と述べ、あいさつを結んだ。
引き続き、地元自治体を代表して堀内慶三・大網白里町長は、まず、内山会長のあいさつについて「地域に貢献し、地域とともに共存するという心意気に大変力強いものを感じた」としたうえで、「この町は、道路や排水など、さまざまなインフラ整備が遅れていると言っても過言ではない。公共工事に携わる皆さんが、『整備とともに町を守っていく』という考えを持たれることは、大変ありがたいことである」と弁。
また、7月1日から海水浴シーズンが始まり、20万人とも言われる来遊客が訪れるほか、10月1日には千葉国体が開催され、「全国から大勢の方々がこの町を訪ねてくる」ことに対して氏は、「この綺麗な白里海岸を是非、全国の方に見て頂きたい。そのためにも『地元を愛し、地元のために公共工事に励む』という気持ちで頑張って頂きたい」と要請し、あいさつに代えた。
さらに、県山武地域整備センターの石井正一所長は、「県では『アダプト制度』というものがあり、公共施設を自分たちの子供だと思い、地域に人に対して『皆んなで面倒みてほしい』と呼びかけている」と説明したうえで、この日の清掃活動については、「管理者として大変に嬉しく思う」と述べ、あいさつに代えた。
提供:日刊建設タイムズ