県土木部営繕課は、県農林水産部漁政課が所管する水産試験場本館改築工事(ひたちなか市平磯町)の一般競争入札を、9月ごろに公告するもようだ。「建築」と「電気」がその対象で、「空調」と「衛生」は指名競争の予定。県内業者への発注を見込む。概算工事費は約5億円。現在、横信建材工業梶iひたちなか市八幡町)による旧本館の解体準備が進められている。
水産試験場本館は、昭和44年にRC造3階建て延床面積1569uで建築。以降、塩害などで劣化が著しく、地震による倒壊の危険性が高い。
また、(財)県建設技術公社(水戸市)による耐震診断の結果でも、Is値(耐震指標)が0・18(0・6以下は耐震補強が必要)だったことから、現在、本館の使用を休止。現本館の場所に改築が計画されている。
現在までに、基本・実施設計を日木産業梶i日立市鮎川町)でまとめたほか、施設整備基金を造成。
さらに、旧本館などの解体工事を横信建材工業に税抜き2640万円で発注。同社は旧本館やプロパン庫、車庫棟、焼却炉、上屋の解体準備に今月はじめから着手し、9月1日をめどに作業を進めている。
解体後、新たな本館は既存の敷地9847・64uにRC造2階建て延床面積約1325uで建設する。
新本館のコンセプトは、現本館と同様、水産業を巡る情勢の変化に対応し、先進的かつ効果的な試験研究や技術開発を推進するとともに、多様化・高度化する研究課題などに効率よく対応できる研究施設として整備する考え。
施設内部には、図書室、増殖実験室、増殖実験器具倉庫、調査資材倉庫、会議室などを配置予定。
設計では、太平洋を見渡せるような配置としたほか、周辺環境に相応しい外観デザイン、構造、仕上げ材質、および配色を取り入れている。
9月ごろには、「建築」と「電気」が一般競争入札で公告されるほか、「空調」と「衛生」が同時期に指名競争入札で発注される予定。工期には、それぞれ8カ月間が見込まれている。
なお、概算工事費には設計委託費や工事監理費を含め約5億円を想定。うち、今年度予算には本館改築工事費1億5476万4000円、本館解体工事費3000万円、その他工事監理等1074万2000円を計上。
また債務負担行為として、23年度までの限度額に2億3760万6000円を設定している。
提供:日本工業経済新聞