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建通新聞社四国
2010/06/25

【徳島】年度内に設計着手 三好病院高層棟の改築

 徳島県病院局は、三好病院高層棟を改築するため今後、早急に地元住民、医師会、行政機関等の意見を踏まえ整備方針を策定し、2010年度中に基本・実施設計に着手。9月定例会に設計費等の関連予算を上程する方向で作業を進める。工事は11年度中に開始し、14年中の開院を目指すなどの方針を明らかにした。残る低層棟については今後、耐震改修に向け設計を進め、10年度中に工事発注する。
  この方針は、22日に開かれた県議会6月定例会付託の文教厚生委員会で、竹内資浩県議の質問に答えるなかで、森繁生病院局経営企画課長らが明らかにしたもの。
 高層棟改築は、県防災対策行動計画に基づいて15年度までに災害拠点病院である三好病院の耐震化を完了する目標に、検討を進めてきた。08年度に実施した調査による報告書では、筋交いや鉄筋コンクリートによる壁などを設置した補強工法や基礎の下に免震装置を設ける免震工法のどちらを採用しても約20億円程度の事業費が見込まれることや、現在の機能を維持して改修を行うことによる工期の長期化、膨大な事業費なども課題となっていた。
 これらの課題を受け、医療再生基金、医療施設耐震化交付金が活用できる見通しとなったことから、現駐車場を利用した現地での改築を決定。災害拠点病院としてヘリポートを兼ね備えた3次救急に対応出来る施設を目指す。
 建設事業費は約60数億円。このうち、国の交付金から半額程度を見込み、残る約30数億円については、病院事業で借入金として調達し、病院局の収益から返済していく計画。
 先行して耐震改修を実施する低層棟は、耐震スリットを数個所設置するなど簡易なものになる見通し。
 外来診療を行っている観点から工事は、患者の状況を見て進めていく。
 三好病院の既存の施設規模は、高層棟(病棟:病床220床)が鉄筋コンクリート造6階建て延べ7226平方b。低層棟(外来診療・管理棟)が同造2階建て延べ3925平方b。救命救急センターが鉄骨造2階建て延べ550平方bなど。低・高層棟は、ともに1981年度の完成で、耐震診断でも要改修の判定が出されていた。所在地は三好市池田町シマ。