国土交通省関東地方整備局や県らによる茨城県事業連絡協議会が23日に県庁となりの市町村会館で開かれ、国が県に今年度の直轄事業を説明したほか、県が事業推進などを要望。県は、圏央道の24年度開通を念押ししたほか、東関道水戸線潮来―鉾田間の着実な整備推進、茨城港常陸那珂港区の水深12m岸壁の新規事業化を要望。さらに、直轄事業における県内建設業者の受注機会確保をあらためて求めた。そのほか、県民生活に密着したきめ細かな事業に来年度予算を重点配分するよう強く要望した。
当日は、関東地方整備局から菊川滋局長や関係事務所長、県から上月良祐副知事や進藤崇土木部長などが出席したほか、(独)水資源機構から黒川純一良経営企画部長、東日本高速道路滑ヨ東支社から川添卓司建設事業部長などが出席。
関東地方整備局は、まず今年度の事業概要を説明。霞ヶ浦導水事業について、夏ごろに「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」により示される基準に沿って検証する考えを述べたほか、JR水郡線橋梁と水府橋の架替事業、国道6号千代田石岡バイパス、国道50号下館バイパス、茨城港常陸那珂港区や鹿島港などについて説明。
また、水資源機構が本県に絡む思川開発事業について述べたほか、東日本高速道路が圏央道や東関道水戸線の整備に触れた。
これに対し、県は直轄事業の推進を要望。まず、圏央道について上月副知事や進藤土木部長が「平成24年度の開通目標を堅持してもらいたい」と述べたほか、東関道水戸線の潮来―鉾田間について(仮)鉾田TC―茨城空港北TC間の開通予定である平成27年に遅れることがないよう着実な整備推進を求めた。
また港湾では、茨城港常陸那珂港区の水深12m岸壁の新規事業化と、鹿島港の国による航路浚渫を要望。
さらに、直轄事業における県内建設業者の受注機会確保については、根本俊英参事兼監理課長が「4月から5月にかけて直轄工事事務所長に対して要望したが、あらためて適正な工事規模による発注や県内資機材の一層の活用をお願いしたい」などと国側に理解を求めた。
そのほか、進藤土木部長は、県議会土木委員会による県内調査での市町村長要望を踏まえ「圏央道や東関道水戸線、港湾などの整備要望はもちろんある。だが、それだけでなく小学校の通学路に歩道がなく毎日危険な思いをしているので歩道を整備してほしいといった要望や、中小河川が毎年のように氾濫するので予防改修をお願いしたいといった要望をどの地域に行っても言われる」と述べ、県民生活に密着したきめ細かな事業について切実な要望がなされている実情を訴えた。
これを踏まえ、進藤部長は本県への来年度予算に、県民生活に密着したきめ細かな事業が重点的に配分されるよう、強く要望。また、今年度予算の補正が行われる場合にも、本県公共事業に対し、特段の配慮を求めた。
提供:日本工業経済新聞