(社)千葉県造園緑化工事業協会(池谷晃会長、正会員146社)の第29回通常総会が、千葉市内の京成ホテルミラマーレで開かれ、09年度事業報告及び収支決算報告のほか、10年度事業計画及び収支予算などを全会一致で可決。
このうち、10年度事業計画では、千葉国体を側面から支援するため、おもてなし活動の一環として「花いっぱい運動」の飾り花用プランター用土を、要請のあった29市町村に寄贈するほか、マツノザイセンチュウの被害や地下水上昇により、松枯れ状況の著しい「九十九里浜の海岸林の復元」を目指し、行政をはじめ学会やボランティア団体などと協働した研究調査や対策の実証活動が注目される。
議案審議に先立ちあいさつした池谷会長=写真=は、まず、造園業界を取り巻く情勢として、「官民ともに発注工事が激減し、公共事業では、一般競争入札の拡大や過当なまでの値引き入札が行われるなど、我々の経営基盤を揺るがしかねない状況が散見される」と指摘。
協会としては、「会員企業の健全な発展を図るため日造協千葉県支部と協力し、県関係機関や諸団体との意見交換会や要望活動を展開してきた」と述べたうえで、県との意見交換会については、「造園業界の実状を説明するとともに、街路樹剪定士など、造園専門資格の積極的活用を強く要望した」と弁。
同協会と会員企業が「今後も社会的信用を維持し、その評価を高めていくため」として氏は、「技能と技術力のレベルアップが不可欠であることから、造園技能士講習会をはじめ、街路樹剪定士等の育成を図るとともに、車両系建設機械講習会や公園遊具の日常点検講習会等を開催した」と報告。
また、公益法人改革については、「協会の将来を左右する大きな課題」としたうえで、内部組織とし公益法人制度検討特別委員会を立ち上げ、課題や今後の方向性について検討するとともに、全会員を対象とする説明会を開催したことも報告。
「今後も造園業界を代表する社団法人として、公益活動を以前にも増して求められる」とした氏は、「県との防災協定及び各地域整備センターとの細目協定に基づく災害応急連絡網を整備し、万が一に備え、協力要請を迅速かつ的確に伝達するための訓練を実施するとともに、一部の地域では県からの要請にも対応した」と説明。
一方、環境への国民的関心が高まる中で、会員の協力を得て、教育現場におけるビオトープづくりを支援してきたことに言及した氏は、「この活動は公益活動の一環として行ったが、会員の技能と技術の向上はもとより、造園業の工事領域の広さと質の高さを、多くの県民にアピールできたものと考えている」と述べるとともに、会員の持つノウハウを最大限に活かし、良好な環境づくりに寄与する団体として、県知事から景観整備機構として指定され、活動を開始していることも報告した。
最後に氏は、「21世紀は環境の世紀である。樹木や草花などの緑は、潤いのある快適な暮らしに不可欠であり、地球温暖化対策にも大きな役割を果たす。協会が取り組む課題は山積しているが、社会資本整備の一翼を担うものとして、本年も広範な活動を通し、住みよい街づくりに貢献していきたい」との方針を示し、あいさつを結んだ。
提供:日刊建設タイムズ