北海道建設新聞社
2010/06/22
【北海道】石狩湾新港に国内最大級のデータセンター建設へ
データセンター事業者のさくらインターネット(本社・大阪、田中邦裕社長)は21日、石狩市の石狩湾新港地域に、国内最大規模のデータセンターを建設すると発表した。5万m²超の敷地を取得し、センターを8棟程度新設する計画で、このほど、1期工事となる1棟目の設計施工を大成建設に依頼。来春の着工に向け準備を開始した。1期工事の投資額は土地購入費を含め約37億円。2011年秋口の完成、冬場の供用開始を目指す。
さくらインターネットは1期工事開始に先立ち、11月をめどに、新港地域を管理する石狩開発から、3万m²分の土地を先行取得する。土地取得費は約3億6000万円。投資額の残りとなる約33億4000万円は1棟目の新築費に充てる。
1棟目の規模はS造、2階、延べ6325m²で、500ラック設置可能。設計作業は近く始まる。工事は来春の雪解け後に開始し、秋口の完成後に、自社所有のサーバー機器をセンター内に設置する作業を進める。
同社は、1期工事完了後に新たに2万1448m²の敷地を取得し、センターを最大8棟まで新設できるようにする。2期工事の開始時期については未定としている。
大規模データセンターの道内立地は初めて。昨夏に同社に接触し、道内立地を働き掛けてきた道経済部では「地道な誘致活動が結実した」(産業立地課)とし、道外大手企業を対象とした今後の誘致活動に弾みがつくことを期待している。同社は、石狩立地の理由について「広大な敷地が安価に購入でき、助成制度が充実していた。サーバー冷却に外気を有効活用できる点も魅力だった」(東京支社企画部)と話している。
同社は、東京都内と大阪府内に計6カ所のデータセンターを所有している。自社の機器管理のためのセンター設置が基本だが、一部のセンターでは、他社の機材を受け入れるハウジングと呼ばれる事業を展開している。