県土木部は、牛久沼の最下流に位置する八間堰の長寿命化について健全度診断を実施した結果、一部の設備で改築などを行う必要性があると判断。長期的な点検計画の策定と更新・修繕計画の策定に取り組む考えを明らかにした。なお構造部は健全との診断結果だった。
9日の県議会一般質問で、小林靖男議員(自民)に進藤崇土木部長が答えた。
八間堰は、谷田川の治水対策上、重要な施設で、昭和46年に建設されてから39年が経過している。
このような堰や排水ポンプ場といった大規模な河川管理施設は、地域住民の安心・安全な暮らしを守るため、将来にわたって洪水時に所定の機能を発揮させる必要があることから、長寿命化計画を策定して適切に維持管理することが重要。
このため昨年度は、八間堰を含む県内12の河川管理施設について、堰本体や電気・機械設備などの点検、および健全度診断を実施した。
この結果、八間堰は一部の機器や部品の更新、ゲート操作室の改築などを行う必要はあるものの、堰本体のコンクリート部など基本的な構造部については健全で、今後適切な維持管理を行えば、相当な期間、機能が保持できることを確認した。
今年度は健康度診断の結果を踏まえ、機器の特性に応じた長期的な点検計画を策定するとともに、最新の技術や機器・部品の耐用年数を考慮した更新・修繕計画を策定することとしている。
これらを踏まえ、長寿命化計画を取りまとめた上で事業化を図り、堰の機能が十分に発揮されるよう、適切な時期に更新や修繕を行っていく考えだ。
八間堰については、昭和46年3月の建設以降、管理を牛久沼土地改良区へ委託。施設は鋼製ゲート2門(W15m×H5・4m×2門)。谷田川の治水のため機能している。牛久沼の朔望平均満潮面はYP7・5m、堤防高は同8・5m。常時、アンダーフローさせている。常時満水位はYP6・5m。一方、利水面として灌漑用水(YP4・4〜6・5m)を行っている。
提供:日本工業経済新聞