北海道建設新聞社
2010/06/17
【北海道】加森観光がサホロリゾートのスキーコース拡張へ
加森観光(本社・札幌、加森公人社長)は、新得町狩勝高原で運営するサホロリゾート(安田昌行総支配人)内のスキーコースを拡張する。サホロ岳の北側斜面約29haを造成し、新たに5コースを設ける。7月末をめどに道内外の土木工事会社5―6社に図渡しし、見積もり合わせで9月中旬にも施工者を決める。2011年11月末のオープンを予定。拡張後は22コース、全長27`となる。加森社長は「道東道開通による集客増を見越し、先行投資に踏み切るべきと判断した」と拡張の理由を話している。
北側斜面に開設する新たなスキーコースは5コースで、全長4754m。1550mの4人乗りリフトと610mのペアリフトを設置する。造成面積はコース部が24・3ha、リフト部が3・3ha、作業道部が1ha、コース周辺の取り付け道路部が0・6haとなる。
設計はシンシアプランニング(本社・札幌)。山すそに作業道を設けて工事車両を搬入する。国有林内での整備となるため、7月中旬までに林野庁への貸付申請、道への特定開発行為申請を済ませる。許認可までには「2―4カ月を要する」(同社プロジェクト室)見通しだ。
許認可後、年度内に作業道開設と造成部の伐採を終え、11年度早々に山肌を均一にする造成工事に着手。リフトの設置は専門工事会社に依頼する予定で、オープンの半年ほど前に発注する。
景気悪化が長引く道内では、スキー場の閉鎖が相次ぎ、新たな投資による拡張整備は、近年では極めて珍しい。同社による拡張整備の背景には、道東道が11年度に開通して新千歳空港とのアクセス向上が図られ、道外や中国を中心とするアジア各国からの集客増が見込めるとの見方がある。
加森社長は「新千歳からサホロへの到達時間は、高速道路開通でニセコやルスツと同等か短くなる。今後道東は、インターナショナルなマーケットに変わる可能性が高い」と話している。