北海道建設新聞社
2010/06/15
【北海道】札幌卸センターが再開発へ−老朽化で検討組織発足
住宅用資材や事務用品、医薬品などを扱う29社で構成する札幌卸センターは、センター全体の再開発を計画している。運営する協同組合札幌総合卸センター(理事長・守和彦ダテハキ会長)によると、延べ約6万m²の既存施設に代わる施設を敷地内に新設することや、一部土地の売却による資金化を検討。新施設の規模は、組合各社の要望を現時点で単純合計すると、共用部を除き1万8000m²に上る。プランニング作業はドーコンに依頼している。
札幌卸センターは、JR札幌駅に近接する東区北6条東2丁目から東4丁目にかけての一帯。敷地総面積3万4350m²で、組合事務所などが入る共同会館がほぼ中央に位置し、29社が共同会館を除く8棟を区分所有している。
周辺には、北海道熱供給公社や、鉄道高架を挟んで南側には再開発が計画されている北ガス札幌工場の跡地がある。
共同会館を含む現施設9棟の総延べ床面積は5万9410m²。1966年の組合設立翌年に当たる67年から順次建てられ、76年ころに今の姿となった。各施設とも老朽化が著しい。
組合は、既存8棟を集約した施設を敷地内に新設し、集約によって空いた土地を売却する検討を今後具体的に進めるが、ゼネコンやマンションデベロッパーに事業提案させることも考えている。
施設の機能に関する検討や、各社の意見を基に規模確定する作業も併せて実施。2、3年かけて構想として具体化し、各社が負担分について同意した段階で、再開発実施の有無を正式に決める。検討の途上で、施設の一部を公共施設とする案も浮上する可能性がある。
組合事務局では現状について「建て替えを前提とした検討が始まろうとしている段階で、詳細を決めるのはすべてこれから」と説明。しかし、理事長ら役員12人で構成する検討組織が発足し、他地域の再開発事例を学ぶ勉強会などを開く動きは既にあり、実施に向けた準備は徐々に進んでいる。