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建通新聞社(静岡)
2010/06/14

【静岡】静岡県=中部地整と合同で立ち入り検査を3件程度、9月めどに立ち入り先選定

 静岡県は、国土交通省中部地方整備局の建設業法令順守推進本部と連携して知事許可業者に対する指導監督を強化する。具体的には、本県を含む各県と中部地整との合同立ち入り検査を初めて実施し、下請企業との契約実態などを把握する。県が指導・監督を担当し、整備局がサポートする形で3件程度を検査を実施する予定。9月をめどに立ち入り先を選定し、10月以降の検査実施を見込む。県建設業課では「検査対象業者や工種などは今後、整備局と調整しながら検討することになる。下請企業対策という観点から、原則、元請業者に対する検査となる」考えを示した。
 合同立ち入り検査は、原則として元請業者が対象。書面による契約の締結、適正な下請け代金の支払いについて指導監督を強化し、下請けいじめを排除することが狙い。
 検査の実施件数は3件程度を予定。6〜7月中にも東海4県と中部地整との間で事前に合同勉強会を開く。8月から9月にかけて、下請け取引実態調査結果や一般通報、各県独自の考え方などにより立ち入り先を選定する。
 業者の選定については、中部地整が必要に応じて、県ごとに相談に応じる。静岡県の窓口となる建設業課では「特定建設業者などが検査の対象候補に挙げられるが、さまざまな角度から慎重に選定を進める」考えだ。検査自体は10月以降、実施可能な企業から順次、着手する。
 また、法令順守推進本部では「仮称・建設業取引適正化推進月間」(開催時期未定)に、各県と連携して講習会や研修会を開催する予定だ。
 法令順守推進本部は、建設工事の品質確保、技術と経営に優れた企業が伸びることができる環境整備を目的に2007年度に設置された。建設業者の法令違反への対応を強化し、違反情報収集のための「駆け込みホットライン」を開設し建設業者への指導を行っている。
 10年度は、▽元請け・下請け関係の適正化(書面による契約、下請けいじめの排除、適正な代金支払いなど)▽一括下請負、現場技術者の配置義務違反などの工事現場における不正行為に対する取締りの強化▽営業所専任技術者の専任義務違反などに対する取締りの強化―などに主眼を置いて活動する方針。12年までに中部地方整備局管内に本社・本店がある特定建設業者(大臣許可)すべてに対し、立入検査を実施するとした「中期計画」を策定。10年度も100件程度の立入検査を実施し報告を徴取する。

建通新聞社 静岡支社