初日の一般質問には、飯岡英之議員(自民)、西野一議員(自民)、伊沢勝徳議員(自民)の3人が登壇。飯岡議員が上河原崎・中西地区の圏央道スマートインターチェンジ構想について説明を求めたほか、西野議員が県北地域における森林・林業の再生について、伊沢議員が神立駅西口土地区画整理事業について見解を求めた。
主な質問と答弁は次のとおり。
飯岡英之議員
【住宅供給公社の解散】
橋本昌知事 保有土地の処分は引き続き厳しい状況の中、昨年度は分譲中団地は7区画、大規模団地は2haを売却し、今年度も大貫台団地の3・1haで契約手続きを進めている。大町ビルも価格や用途など条件を見直し、6月4日から売却に向けた再公募を行っている。
また、公社が連帯債務者となっている、特定優良賃貸住宅事業は、他の金融機関への借り換えにより、昨年度は2ビル、今年度に入り1ビルの連帯債務を解消した。残り15ビルは引き続き借り換えを促進するとともに、住宅金融支援機構に対し、一括償還請求回避の要請などを行っていく。
さらに整備中の団地について、地元自治体と調整池」などの公共施設の移管について協議を進めるとともに、団地住民に対して状況を説明する場を設け、不安の解消に努めている。
【新たなつくばグランドデザインにおけるまちづくり】
榊真一企画部長 つくばエクスプレス(TX)の開通や沿線開発の進展で都市構造も大きく変化している状況を踏まえ、グランドデザインは、目指すべき都市像として、「世界のイノベーションをリードするグローバル拠点都市」「豊かな緑とゆとりある空間に囲まれた活力ある文化創造都市」という2つの基本目標を掲げ、つくばのさらなる発展を図ることとしている。
まず、研究学園地区では、国家公務員宿舎跡地を活用し、世界のつくばにふさわしい研究者などを支援する機能を導入するとともに、跡地の良好な環境を保全するため、地区計画を策定するなど、活力とゆとりあるまちづくりを進める。
TX沿線地区では、つくばスタイルを推進するため、緑地や菜園などを備えた住宅地の整備など様々な取り組みを行い、自然を活かしたまちづくりを進める。
一方、農村地域などでは、筑波山や田園空間など豊かな自然環境を活かしながら、市民農園の整備や交流イベントの開催などで活性化を図る。
【上河原崎・中西地区における圏央道スマートインターチェンジ(IC)構想】
榊企画部長 これまでに、市から要望のあった道の駅などとの複合案や、単独設置案について検討してきたが、整備コストや早期実現性の観点から、ことし3月、本線直結型スマートICの設置を目指す方向性を取りまとめた。
今後は、つくば市が主体となった検討会で県も参画しながらスマートICの構造や採算性など検討を進める。
西野一議員
【交流拡大による県北地域の振興】
榊企画部長 今年度は県や市町、観光団体、関係機関が一体となった連絡調整会議を設立し、道の駅などにおける周遊観光や道路渋滞に関する情報の提供、渋滞時における迂回ルートへの誘導方策、道路の改築など、ソフト、ハードにわたる対策を総合的に検討し、県北地域における周遊観光の推進を図っていく。
【県北地域における森林・林業の再生】
宮浦浩司農林水産部長 従来より、林道、作業道の整備や高性能林業機械の導入を進めるとともに、緊急経済・雇用対策を活用して担い手の確保を図り、ハード、ソフトの両面で低コストでの間伐・搬出体制の構築に努めているところ。
さらに今年度は、宮の郷工業団地内に、曲がり材などを利用するラミナ製材工場を整備し、未利用間伐材の有効活用を進めることとしているが、今後どれだけ多くの利活用間伐材を低コストでラミナ製材工場に集めるかが、運営上の重要な課題。
このため、昨年11月に、県森林組合連合会や素材生産業者などで構成する「原木供給体制整備検討会」を設置し、従来、地元製材業者が扱ってきた柱材や、ラミナ製材工場で必要となる曲がり材などを、安定的に搬出・供給できる体制づくりを進めている。
伊沢勝徳議員
【新茨城県綜合計画の達成状況】
橋本知事 取り組みの成果を定量的に把握するため、昨年度は数値目標の達成状況を中間評価としてとりまとめた。
その結果、「活力あるいばらき」づくりに係る重点戦略で概ね期待どおり評価された指標が約8割あった一方で、「住みよいいばらき」づくりでは約5割、「人が輝くいばらき」づくりでは4割強程度にとどまっており、医療従事者の確保や霞ヶ浦の水質浄化、子供たちの学力向上などで一層の努力が必要と認識している。
【都市計画道路土浦新治線、国道354土浦バイパスの整備見通し】
進藤土木部長 土浦新治線は国道125号の若松町交差点から木田余の国道354号に至る約1・9qんついて整備している。現在、若松町交差点を立体化するための橋梁工事などを進めている。
国道354号土浦バイパスについては、木田余地内の交差点からおおつ野ヒルズ入口までの約3・2qで整備している。これまでに用地取得をほぼ完了させ、現在、境川に架かる橋梁工事などを進めている。
これらの整備で、市街地部の交通混雑緩和や土浦北インターチェンジへのアクセス向上に大きな効果が期待されることから、工期短縮に努め、年明けには両路線に併せて、暫定2車線による供用ができるよう、鋭意工事を進めていく。
【神立駅西口土地区画整理事業】
進藤土木部長 土浦市とかすみがうら市が今年度、駅前広場や道路を含む約2・2haの土地区画整理事業の都市計画決定を行うとともに、施行者となる一部事務組合を設立し、平成23年度の事業化を目指すこととしている。
県としては、この事業が神立駅西口地区の交通結節点として機能向上、および活性化に大きく寄与することから、計画策定に対して協力するとともに、都市計画決定された県道の整備費用を補助するなど、円滑な事業の推進を支援していく。
提供:日本工業経済新聞