収用機能や施設のあり方を検討していた府立総合資料館について京都府は、移転による新総合資料館(仮称)建設を決め、6月補正予算案に基本・実施設計費として4億8700万円を計上した。予算が認められれば夏にも基本・実施設計を公募により外注、早ければ24年度にも着工し、26年3月の完成を目指すことになった。
新総合資料館は、現在の総合資料館(京都市左京区下鴨半木町1−4、RC造一部S造、地上4階地下1階建、延約1万3743u、昭和38年開設)の老朽化や提供機能の変化に伴い、抜本的な対応策として検討を進めていたもの。府が事業を推進している北山文化環境ゾーンの主要機能の一つとしても上げられており、隣接する府立大学の文学部や図書館との機能連携により、文化・環境・発信拠点として整備する。
建設地は、現施設に隣接する京都市コンサートホール南側の府立大学敷地内。実験農場として利用されている府有地で、計画規模はRC造地上3階地下1階建、延約2万4000u。@国際京都学センター設置による全国的・国際的交流と情報発信A総合資料館機能の充実として、京都に関する資料の収集・保存・提供、研究・学習・教育支援、公文書館機能B府立大学文学部・附属図書館との機能連携として資料館と大学図書館の閲覧提供のワンフロアー化−の各機能を収容するほか、次世代の教育支援やネットワーク機能の強化、生涯教育の支援などを盛り込むことも考えられている。
このため設計委託に当たっては、プロポーザルなど企画提案型の発注方法が予想されており、補正予算が認められ次第、具体的な事務作業をスタート、7〜8月には発注公告になる見込み。
また着工時期については、設計に相当の期間が必要となることから、早くても24年度、完成は26年3月と想定している。
なお、新総合資料館建設により廃止される現施設と敷地の利用方法は決まっていないが、北山文化環境ゾーンの中心に位置する付加価値の高い土地のため、有効な活用方法を検討することになっており、今後の動きが注目される。 |