(社)千葉県空調衛生工事業協会の第44回通常総会が、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、09年度事業報告及び収支決算報告のほか、10年度事業計画及び収支予算を全会一致で可決した。
議案審議に先立ちあいさつした下福会長は、「地方経済は上向く気配もなく、県や市町村の財政状況も一向に明るさが見えない」としたうえで、「さらに、政府の国庫補助事業の大幅削減の方針から、国や地方公共団体が発注する公共工事も減少が続いており、我々業界を取り巻く環境は一層厳しさを増している」との窮状を訴えた。
これらに対して氏は、「我々はこれらの逆境を克服するために一致団結し、専門工事業としての施工能力の向上と経営基盤の強化を図るとともに、長年推進している民間分野を含めた建設設備工事の『分離発注』の維持と拡大に力を注ぐことにより、協会を発展させなければならない」と弁。
さらに、「このところ一部で『品確法』の趣旨に反する一括発注の動きがみられる」とした氏は、「今年度は必要に応じて、ピンポイントで陳情活動を行いたい」とする一方、「地域の信頼を得ることにより、我々業界の社会的地位の向上を図ることも非常に大切なこと」と述べた氏は、「今年度も九都県市合同防災訓練への参加をはじめ、多くの会員が参加する『県土クリーンキャンペーン』などの環境美化活動にも力を入れていく」との方針を示した。
他方、公益法人制度改革への対応としては、「今年度で特別委員会を設置し、協会の将来のあり方を含めて検討するとともに、来年度の総会で協会としての方針を示したうえで審議頂きたい」と述べ、あいさつを結んだ。
総会終了後には懇親会が行われ、来賓を前にあいさつした下福会長は、建設業界を取り巻く厳しい環境に言及したうえで、「我々業界は当局の指導を頂きながら、専門工事業者としての技術の伝承に加え、社会資本の充実に向けて貢献していきたい」と述べるとともに、9月に開催される千葉国体については、「業界としても、行政とともにそのPR活動を推進していきたい」との考えを示し、あいさつを結んだ。
引き続き、来賓を代表してあいさつした石渡哲彦・県副知事は、「貴協会においては、災害時の応援業務に関する協定を県と結んで頂き、県のライフラインを守るうえで非常に大きな期待を寄せている」と述べるとともに、「1995年にさかのぼるが、私自身が県の消防防災課長を務めていた時に発生した『阪神・淡路大震災』の際にも、多大なご協力を頂いたことは、今でもしっかりと覚えている」と回顧し、「さらに県との間で災害協定を締結したことで、色々な面で今後も皆さんの協力を頂けることに喜びを感じている」と弁。
一方、昨年来からの経済不況に言及した氏は、「本県においても、その厳しさを皆さんが肌で一番感じていることだと思う」としたうえで、「それらの状況下でも、千葉県が経済発展していくためには、その礎となる社会基盤の整備はきちんと行わなければならない。たとえ財政的に厳しい中でも頑張っていこうというのが森田県政であり、我々もそのもとで頑張っている」と弁。
これらを踏まえて氏は、「皆さんの仕事である空調衛生は、人々が快適に活動するうえで不可欠なものとして、大変重要な役割を担っていることから、今後とも県民が暮らしやすい環境づくりに尽力頂きたい」と要請した。
他方、この秋に開催される「ゆめ半島千葉国体」及び「ゆめ半島千葉大会」については、「県民を挙げて、皆んなで取り組んでいこうという運動展開を行う準備を進めている。皆さんのより一層のご支援ご協力を賜ればと思う」と述べ、祝辞に代えた。
提供:日刊建設タイムズ