(社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長、会員577社)の2010年度通常総会が26日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、09年度事業報告及び収支決算報告のほか、10年度事業計画及び収支予算などを全会一致で可決。また、任期満了に伴う役員改選では、鈴木会長を再選した。
議案審議に先立ちあいさつした鈴木会長=写真=は、まず、建設業を取り巻く日本の経済状況について、「一昨年の米国金融危機に続くギリシャ経済の破綻によるユーロ危機で、急激な円高・株安が進み、自動車や電機などの輸出産業を中心に深刻な状況に直面。国内の産業活動も全般にわたり低迷し、個人消費や雇用状況についても改善の兆しが見られず、いわゆるデフレ経済下での本格的な景気回復へ向けた道筋が見えにくい情勢が続く」と分析したうえで、「私ども建設業界も、公共投資予算の縮減による厳しい状況の中で、ギリギリの活動を余儀なくされている」との窮状を訴えた。
また、「役員改選期という節目にあたり、本協会が対応していかねばならない当面課題について申し上げたい」とした氏は、事業計画に対する承認を前提に、「何よりも優先して、厳しい受注環境を打開するための公共事業予算の確保を始め、会員企業の受注確保につながるような活動に取り組む必要がある」とし、公共工事の入札・契約制度については「課題も依然として山積みの状態にあることから、国、県との意見交換会等の場で思い切った改善や転換が図られるよう、強く働きかけていかねばならない」と弁。
同じく、公益法人改革への対応について「本協会は現在『特例民法法人』という立場にあり、2013年11月30日までに新たな法人組織に移行しなければならない」との状況を説明したうえで、「協会としては、『公益社団法人の申請を目指すことを妥当とする』という答申を踏まえ、この申請に向けて取り組んでおり、11年度の総会で機関決定できるよう、本部・支部の関係を明確にする定款の作成など、具体的な準備を進めていく必要がある」との考えを示し、あいさつを結んだ。
提供:日刊建設タイムズ