厳しい経営環境におかれている建設産業の活性化について話し合う会議が24日、甲府市内で開かれた。会議には県の関係部局や建設業協会をはじめとする建設関連団体が出席。建設産業の現状と今年度の取り組み内容について審議した。
出席者からは「最近、解体工事の仕事が割と出てきているようだが、県内外の業者間で価格のたたき合いが激しく、あまり儲からないようだ」、「トヨタ(甲府市宝)の解体(改築)も清水建設(本社・東京都)が受注するなど、県内業者は苦しい」、「公共事業も県内でできるものは、できるだけ県内に発注してほしい」など、依然厳しい状況に置かれている県内業者の保護を求める声があがった。
これに対し議長を務めた小池一男県県土整備部長は、「県としても(地域要件を設定できない)WTO案件以外は、出来るだけ県内業者に発注していきたい」と延べ、県内業者の育成に努めていくことを強調した。
また、建設業の農業進出について小池部長は「(積極的に農業進出に取り組む)石井工業(大月市)さえ、事業として成り立たせるのは依然として難しいと聞いているが、どのような対策を講じているか」との質問に対し関係団体は、「農業指導員を雇う費用の一部を国が助成している。また、既存の農業法人と連携しながら、経営が成り立つ所までもっていく方法もある」と答えたが、小池部長は「体力がない、いわば後がないと思っている業者が農業に転換できるような策が必要。また支援策のより一層のPRをすべき」と、抜本的な対策の必要性を訴えた。
このほか、「建設投資額がピーク時の約55%まで落ちているのに対し、建設業就業者はピーク時の80%までしか落ちていない」と、建設業界のリストラが進んでいない現状を指摘する意見なども挙がっていた。
県は会議の中で、今年度から建設業専門のコンサルタントの派遣や、合併を行う際の事務経費の補助制度などを新たに設け、建設業支援を強化する方針を改めて確認した。
提供:山梨建設新聞