トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2010/04/28

【静岡】浜松河川の天竜川ダム再編 進入路工事やコンサル委託を順次 

 国土交通省浜松河川国道事務所は、佐久間ダムの治水機能確保などを柱とした天竜川ダム再編事業で2010年度、進入路工事や排砂施設の関連調査、測量、環境調査などを実施する。12日、建設技術研究所(東京都中央区)に委託した詳細検討業務の中で、堆積している土砂の掘削量やダム所有者である電源開発から買い取る貯水容量の算出などを進めるほか、6月をめどに魚類調査やダム湖周辺の環境調査など7件のコンサルタント委託を終えたい考え。
 浜松市を中心とした下流域で急速な市街化が進展したため、洪水被害の危険性は増加傾向にあり、抜本的な治水対策が求められている。しかし、天竜川本川には新規にダムを建設する適地がないため、既存ストックである佐久間ダムを有効活用することで効率的な治水対策を進める。
 利水専用ダムとして1956年に完成した同ダムに、新たに治水機能を確保するとともに、貯水池を保全するための恒久的な土砂対策を施すことで天竜川中下流の土砂移動に連続性を持たせる。
 現在の総貯水量3億2700万立方bを、土砂の掘削や排砂施設の整備などにより3億4300万立方bまで増やす計画で、事業の目標年度は21年度。04年度の実施計画調査を経て09年度、建設事業に着手した。総事業費約790億円のうち10年度は約8億円を投じる。
 学識者らをメンバーとする検討委員会の提言などを踏まえ、新設する構造物の規模や技術的な検討、コスト低減策などの検討を進めるほか、今後、6月をめどに▽佐久間・秋葉・船明ダムの魚類調査▽ダム湖周辺の環境調査▽置土実験調査(生物調査・河道変化調査などを含む)▽出水時の水質調査▽河口域を対象とした河口テラスの調査―など7件のコンサルタント業務を総合評価落札方式で委託する。
 また、第2四半期以降には地質調査も発注する方針。

建通新聞社 静岡支社