国立大学法人京都大学はこのほど、平成22年3月現在の京都大学が保有する施設の耐震性能についてまとめた「京都大学施設の耐震性能」を公表。これによると、施設全体の85%で耐震化が完了し、耐震化が必要な施設約19万uで未整備としている。施設の耐震化について大学は「残りの約19万u(15%)については27年までに実施し、耐震化率を高いレベルにする」としている。
同大学は生命の安全確保を第一とした安全な環境を整備し、事業継続に必要な機能を確保するため、平成18年に京都大学耐震化推進方針を策定し、緊急度の高い施設から順次の耐震補強を進めてきた。
このほど明らかにした「京都大学施設の耐震性能」によると、現在、京都大学が保有する施設は延約116万u。約69万u(55%)で新耐震基準を満たし、残り約57万u(45%)が旧耐震基準の建物。このうち、耐震補強済及び耐震性能を満たしている建物は37万3606u(29%)。耐震補強が必要な建物は19万1938u(15%)で、利用頻度が少ない小規模な施設を含めると19万7109uある。
また22年3月に策定した中期計画では、耐震化について「特に耐震性に問題のある施設等、教育・研究・医療活動に支障のある施設の再生を図り、耐震化率については平成27年までに高いレベルで達成するよう取組」と目標を定めている。22年度年次計画によると、耐震化以外を含む施設整備に総額約35億7100万円を投入する見込みで、耐震化を実施する施設は、熊野寮、総合研究棟を予定している。
22年3月現在で耐震補強が必要な主な建物は次の通り。
◆吉田キャンパス本部・西部構内◆
▽学術情報メディアセンター(北館)▽工学部10号館▽工学部電気総合館▽旧施設部変電所▽工学部2号館▽工学部11号館▽文学部東館▽工学部8号館▽経済研究所▽尊攘堂(保存建物登録有形文化財)▽西部学生食堂▽プール脱衣室▽西部購買部及部室(W造)▽西部講堂(W造)▽学生控室(南)(W造)▽工学部1号館(西側)▽法経済学部北館(南側)
◆吉田キャンパス北部構内◆
▽低温物質科学研究センター棟▽RI総合センター▽北部学生食堂▽旧演習林事務室研究室(保存建物登録有形文化財)▽植物学教室分室
◆吉田キャンパス吉田南・医学部構内◆
▽総合解剖センター▽医学部F棟▽吉田購買部▽医学部系統解剖講義室(保存建物)▽解剖学教室組織実習室(保存建物)▽医学部T棟(保存建物)▽三才学林(地球環境学舎・学堂)(W造)▽吉田寮(W造)▽学生集会所(W造)
◆吉田キャンパス病院等構内◆
▽外科研究室▽和進会館▽南病棟▽RI診療棟▽サービスサプライ棟(西側)▽再生研西館・南西病棟
◆宇治キャンパス◆
▽エネ研北4号棟▽風洞実験室▽旧工業教員養成所本館▽原子核工学実験室▽巨大災害研究センター本館▽宇治地区水質管理室▽職員宿舎(1、3〜7、9、10号棟)
◆熊取キャンパス◆
▽トレーサー棟▽廃棄物処理棟▽事務棟