静岡市は2010年度、日本平公園整備事業で第1期整備として計画している「平原ゾーン」の実施設計に着手していく。このほか用地取得や物件調査など当初予算に1億4950万円を計上し事業を進める。
平原ゾーンの計画面積は8・8f。現況は茶園や畑などの農地で、10年度は整備に向けた用地取得や補償のための物件調査なども行う。実施設計を10年度中に完了させる考えだが、着工時期は早くても12年度以降となる見通し。
同ゾーンは市民や観光客などが、広々とした空間で展望を満喫できる「日本平」をイメージさせるゾーンとして位置づけており、主な施設としては大芝生広場とプロムナードを計画している。
整備イメージは、大芝生広場をイベントやレクリエーション利用のほか、観富景観が望める利点を生かした眺望の視点場として整備。広大な園地と約1000bの園路を飽きさせずに誘導を図るため、茶畑に加えて花畑やグラスランドスケープなどの造園的な演出によって沿道環境に変化を持たせる。特に公園アクセス道路沿いの範囲は、日本平ホテル方面への歩行路として、芝生広場を囲むように築かれた築山により視点場の高さを確保し、観富の展望散策路として位置づける。
10年度はこのほか、アクセス道路の実施設計も行う。アクセス道路は既存道路の拡幅や新設などで延長約1200bを計画し、第1期整備に盛り込まれている。
市は09年度までを準備期とし、08年度に平原ゾーン、アクセス道路の用地測量と路線測量、09年度に計画区域全体の基本設計や雨水・汚水等処理調査を実施した。公園の基本設計は日本公園緑地協会()が担当。アクセス道路の基本設計は綜合設計事務所(静岡市清水区)が担当した。
有度山山頂部に位置する日本平公園は、新市発展のシンボルとして整備することになり、本格的な整備に向け基本計画を策定し、「風景美術館=日本平」を基本テーマとした。基本計画での全体整備区域は、山頂部デジタル塔付近から日本平ホテルにかけての比較的平坦な土地で面積33f。
区域内を平原ゾーン、センターゾーン、観富の丘ゾーン、歴史のゲートゾーンなどに区分し、第1期・第2期・第3期に分け、2024年度までに整備していく計画。なお、拠点施設としては宿泊迎賓施設(日本平ホテル)、公園センター、ロープウェイ(パークセンター)+展望施設の3カ所を位置付けている。
建通新聞社 静岡支社