2010年度関東地方整備局入札契約手続き等説明会」が21日、千葉市内のホテルポートプラザちばで開かれ、関係者200人余が出席した。国土交通省関東地方整備局企画部、(社)千葉県建設業協会、千葉県建設産業団体連合会の共催。
議事は、@入札・契約手続きの実施方針及び整備局における取り組みA総価契約単価合意方式の実施B建設会社における災害時の基礎的事業継続力の認定――について。講師は、関東地方整備局企画部の新井正・技術管理課長補佐、丸山日登志・技術調査課建設専門官、高松良行・防災課長らがあたった。
議事に先立ち、主催者を代表してあいさつした(社)千葉県建設業協会及び千葉県建設産業団体連合会の鈴木雅博会長=写真上=は、「私どもの建設業協会では、他県に比べて県内企業の国の工事受注量が大変少ないことから、受注機会の確保・拡大を繰り返し陳情してきたところであるが、残念ながら現在も低迷を続けている」と指摘したうえで、「今年度も引き続き、関係出先機関を訪問し、県内企業の厳しい状況を説明しながら、陳情活動を続けていきたい」と弁。
また、「公共投資の全体が削減されていく中で、直轄工事を受注していくことは今後不可欠であり、入札参加資格や発注要件など、色々な制約や設計・施工・積算上の課題も多いと思うが、一刻も早くそれらを改善して頂き、我々県内企業が参加するための理解を賜りたい」と要望。
一方、会員企業に対しては、「本日の説明会を通じて、今年度の入札契約施策について理解され、今後の直轄工事に対する方策として頂きたい」と要請し、あいさつを結んだ。
引き続き、関東地方整備局を代表してあいさつした新井課長補佐=写真下=は、まず、昨年度の早期発注及び補正予算の事業執行について、「過去最大級の前倒し発注となった緊急経済対策が奏功してか、全体的には請負総額が前年度比で4.9%増という結果になった」と述べる一方、「先ほどの鈴木会長の話にもあったように、低迷している県がいくつかあると聞いている」との認識を示した。
また、公共工事品確法が施行されて丸5年が経過したことについては、「この間も総合評価における評価方法をはじめ、ダンピング対策、不調不落対策など様々な施策を展開してきたが、これらについても除々に効果が出始めた状況にある」と説明。
さらに、今年度の総合評価落札方式の実施方針としては、「技術評価に関するさらなる透明性と客観性の確保をはじめ、企業の技術力が十分発揮できるような競争環境の確保を目指したい」との考えを示し、あいさつとした。
議事の一つである「総価契約単価合意方式」は、双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定、部分払い金額の算定に使用する単価等を、前もって協議しておくことにより、受発注者間の契約変更協議の円滑化を図るのが目的。
これまでは、ユニットプライス型積算方式や高度技術提案型総合評価方式の場合に実施してきたが、河川、道路等のすべての直轄工事を対象とする。
実施方法は、単価等を個別に合意する「単価個別合意方式」を基本とするが、予定価格が3億円を超えない分任支出負担行為担当官の発注工事においては、請負者の希望により、予定価格に対する請負代金額の比率を乗じた単価等を使用することを包括的に合意する「単価包括合意方式」も可能とする。
請負代金額の変更額の算定方法は、合意した単価等に基づき変更するとともに、当初契約時と条件が異なるなど、合意した単価がそのまま使えない場合は、数量総括表の工事工種体系に応じて、合意単価の使用の適否を判断する。
なお、適用は本年4月1日以降に入札公告を行う工事からとし、3月9日付で、各地方整備局あてに実施要領を通知した。
提供:日刊建設タイムズ