北海道建設新聞社
2010/04/21
【北海道】白石区役所移転候補地、商業施設などは別棟で−札幌市
札幌市は、「南郷通1丁目南」市有地の利活用調査結果をまとめた。白石区役所庁舎建て替えの移転候補地とすることを前提に、区役所と併設する導入機能を調べたもの。事業者への聞き取りでは、物販・飲食など商業機能や医療機能での参入意欲が高く、施設形態は複合よりも、区役所とそれ以外の機能を分棟配置とする方がリスクを回避する上で優位との結果が出た。事業手法はPFI方式導入の可能性を挙げている。
南郷通1丁目南の市有地は、敷地面積8249平方b。今は駐車場や駐輪場として暫定的に使われている。
この一帯は、地下鉄白石駅が隣接し交通の利便性が良く、区の顔としての機能が期待されることから、市では、導入可能な機能を整理、有効活用の方向性を検討することとし、建設技術研究所に委託し調査を実施した。
調査結果では、厳しい経済情勢下にあっても民間参入の可能性がある事業性の高い土地であり、商業機能と医療機能の可能性を指摘。施設配置では、倒産などによるリスクの影響が少ない分棟配置とすることが望ましいとしている。
事業手法ではPFI方式を提示。具体的には区役所以外の土地利用について、民間の参入負担が少ない定期借地で事業者側に貸し付ける「PFI付帯事業」の案や、区役所を含めて性能発注と仕様発注の併用による民間ノウハウ活用などを挙げている。
本郷通3丁目北1番1号にある現在の白石区役所は、1972年の建設。RC造、3階、延べ6184平方b。Is値(耐震指標)は0・3以上0・6未満で、計画的な耐震化を図る施設に位置付けられている。敷地内には併設の区民センターのほか、別棟で、保健センターと保育・子育て支援センターを配置している。
2010年度に市は、白石を含む中央、北、南、東、西、豊平の7区役所庁舎について「区役所庁舎整備基本計画」を策定する。72年前後に集中して建てられた7区役所が今後一斉に建て替え時期を迎えることから、時期を分散させ、予算の平準化を図る方針。
白石区役所は、今回の調査結果を踏まえた移転の是非を含む政策判断を待つ。