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建設経済新聞社
2010/04/20

【京都】市立芸術大学整備改革基本計画案 パブコメを募集 全面移転も前向きに

 京都市行財政局が5月19日までを期間とし、市民意見の募集を開始した「京都市立芸術大学整備・改革基本計画(案)」によると、京都芸大の全面移転について「交通の便の良い土地の確保に努める」としながら、分散化する場合は「複数のパターンを検討する」とし、前向きに検討していく構えだ。さらに移転費用については「多額の経費を必要とすることから、民間活力を活用した事業手法など、経費が最小限に収まる手法を検討する」としている。
 市立芸術大学は明治13年に設立された日本初の公立の絵画専門学校を母体とし、建学以来130年にわたり国内外の芸術界・産業界で活躍する人材を輩出してきた。しかし、昨今、大学を取り巻く環境が大きく変化し、京都芸大が持つ資源を市民に還元することが求められている。
 このような背景を踏まえ、平成20年には「京都市立芸術大学のあり方懇談会」が設置され、▽教育研究の充実▽関係諸機関との連携の強化▽公立大学法人制度の導入―の3つを取り組み推進の柱とする基本計画案を策定した。
 同計画案によると、施設整備については、平成6年、12年に研究棟等を設け、教育機関の充実が図られつつあるも、移転から30年が経過したこともあり、中央棟やアトリエ棟など老朽化が著しく耐震化等の安全面の確保やバリアフリー、音楽専用ホールの未設置など不足機能を補う機能的な改善が望まれている。
 移転に関しては、キャンパスの市内中心部への全面移転について当初の中期目標の期間内で具体的に進めていくとしている。さらに現地での整備についても二重投資を回避しながらも適切な改修、補修を進めていく模様。
 なお、施設の構成は次の通り。
▽中央棟=昭和54年築、RC造一部SRC造地上4階地下1階建、延7936u
▽アトリエ棟=昭和54年築、RC一部SRC造地上4階建
▽染織・漆工棟=昭和54年築、RC造一部SRC造2階建、延2067u
▽陶磁器棟=昭和54年築、RC一部SRC造、延1225u
▽彫刻棟=昭和54年築、RC造、1482u
▽音楽棟=昭和54年築、RC一部SRC造、3061u
▽体育館=昭和55年築、RC造一部SRC造、1385u
▽講堂=昭和56年築、RC造一部SRC造2階建、1588u(構造計算上4階)
▽大会議室=平成6年、2RC一部SRC造地上3階地下1階建、延349u
▽真剣研究棟=平成12年築、4605u
▽その他=1819u
◎総計=3万5243u