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北海道建設新聞社
2010/04/12

【北海道】礼文−稚内・利尻に海底ケーブル−既設合わせ環状網構築

 NTT東日本北海道支店は9日、利尻、礼文両島と本道を結ぶ海底光ファイバーケーブルの埋設に着工すると発表した。礼文―稚内に約50`、礼文―利尻に約14`のケーブルを新設。利尻と稚内を結ぶ既設ケーブル(約40`)と合わせ、環状のケーブル網を構築する。7月にも関連会社所有の敷設船を使い、3―4週間で埋設。ケーブル埋設と地上での伝送路整備に要する総工費は約10億円を試算している。
 同社によると、道内179市町村のうち、2010年3月末で光ファイバーやADSL、無線LANなどを使用できない未整備地域は礼文町のみ。今回の礼文島へのケーブル埋設により、道内のブロードバンドゼロ地域は解消される。
 同日、記者会見した山本康裕支店長は「夏場の観光客や長期滞在者の利便性が向上し、地域医療への貢献も期待できる」と効果を説明した。
 関連会社が所有する敷設船(すばる)を用いて、深さ約120mの海底に筒状のケーブルを埋設する。1時間当たり500―900mの埋設が可能なため、3―4週間で埋設を完了できる計算。両島と本道を結ぶ環状のケーブル網とすることで、一部分が断絶してもネットワーク自体は途絶しない環境を構築する。
 埋設後は、礼文町香深や利尻富士町鴛泊にある同社の中継局整備や伝送設備整備などを進める。11年度の供用開始を予定している。
 これに先立ち、礼文、利尻、利尻富士の3町は、総務省の地域情報通信基盤整備交付金を活用し、町内全域に光ファイバーケーブルを埋設する。6月末をめどに設計を完了し、7月にも着工。10年度末までに埋設を終え、光ブロードバンドサービスの開始に備える。