千葉県建設産業団体連合会会員や県及び市町村アスベスト問題担当者、県下の労働基準監督署担当者を対象とした「アスベスト問題対策研修会」が26日、千葉市内の千葉市民会館小ホールで開かれ、総勢100人余が出席した。主催は、千葉県アスベスト問題対策会議(会長:市原久夫・県環境生活部長)。
アスベスト問題については、05年の「クボタショック」以降に法整備等が図られ、建築物等における石綿の飛散防止対策が進められている。
この日の研修会は、関係者がアスベスト問題の現況を再認識するとともに、対策に係る課題等について研さんし、今後のアスベスト対策の推進に反映させることが目的。
研修に先立ち、主催者を代表してあいさつした同会議の和田紀夫・事業者指導部会長(県環境生活部次長)=写真上=は、「05年にクボタがアスベスト問題について公表したいわゆる『クボタ事件』以来、法整備が図られてきた」としたうえで、建築物における吹き付けアスベストなどの飛散防止については、「その法律に基づいて対策が講じられており、公共施設については、概ね対応がなされたのでは」との認識を示した。
一方、昨年12月に国土交通省が公表した民間建築物における吹き付けアスベストに関する調査結果に言及した氏は、「未だに報告がないものや、今後対応する予定という建物が一部見受けられる」と指摘し、今後については「民間建築物の吹き付けアスベストの除去対策が進む中で、官民を問わず、関係機関が一層連携を強め、対策を推進していく必要がある」と主張。。
また、05年に県庁内に設置した同会議については、「県有施設の対応をはじめ、建築物解体等に伴う石綿の飛散を防止するための関係法令の手引きの作成のほか、千葉県がんセンターにアスベスト専門外来を設置するなど、業界や県民に向けた情報発信や相談業務などに取り組んできた」と説明。
建設関連業界と県市町村の担当者を対象とするこの日の研修会については、「実際の作業現場におけるマスクの使用方法や行政の取り組み等関係法令についての講演を行うが、皆さんには大気中へのアスベストの飛散防止に努めて頂くとともに、現場で働く方々の健康管理にも十分留意されたい」と述べ、あいさつを結んだ。
この日の研修内容は、「石綿飛散が想定される作業現場におけるマスクの正しい選択と使用方法」について、(財)ちば県民保健予防財団業務推進部長で独立行政法人労働者健康福祉機構千葉産業保健推進センター産業保健推進員の磯部清房氏=写真下=が、また「石綿ばく露防止対策に向けて行政の取り組みと関係法令」についてを、千葉労働局労働基準部安全衛生課の工藤仁美・地方労働衛生専門官がそれぞれ講演した。
提供:日刊建設タイムズ