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建通新聞社(静岡)
2010/03/24

【静岡】静岡県=設計など建設関連業務で低入札価格調査制度を試行、総合評価も初導入へ、横行するダンピング受注に歯止め

 静岡県は、ダンピング対策や総合評価方式の拡大、建設関連業務委託の改善などを柱とする、2010年度の入札・契約制度の改善策をまとめた。建設関連業務(測量、土木・建築設計、補償コンサル、地質調査)では、10年度から予定価格1000万円以上の案件を対象に低入札価格調査制度を試行。さらに、測量以外の建設関連業務に限定する形で総合評価方式を導入する。建設工事では、制限付き一般競争と総合評価方式を拡大実施し、施工品質の確保に努める。
 県の建設関連業務委託の入札では、予定価格を50%以上も割り込むような、低価格での落札が一部で発生。そこで、適正履行による品質の維持と適正な利益の確保を目的に、4月1日から低入札価格調査制度を導入・試行する。。
 低入札調査基準価格の設定対象は、予定価格1000万円以上の案件。基準価格の算定方法は、国土交通省の算定式に準拠する。
 基準価格以下の価格で応札した場合には、業務の適正な履行を確保するため、落札者の負担による「第三者による照査等」の実施を義務付ける。
 また、測量以外の建設関連業務では総合評価方式を試行。調査・設計などの品質を確保するとともに、「価格と品質が総合的に優れた内容の契約を推進する」(静岡県建設部)ことが狙い。制限付き一般競争入札により、総合評価を実施する。実施予定件数などは未定。

《10年度には300件で総合評価を実施へ》
 建設工事では、入札方法の改善として、総合評価方式を10年度から拡大実施する。目標件数として、予定価格1000万円以上の工事発注件数のうち、約20%に当たる300件を見込む。
 県ではこれまで、段階的に総合評価方式を拡大実施してきた。09年度には250件(発注件数全体に占める15%)を目標としていたが、さらに50件上積みし、施工品質のより一層の向上につなげる。
 変更点として、10年度から簡易型Uを拡大し(件数は未定)、事務手続きや評価を簡略化する。実績評価項目の一つである表彰の対象期間を拡大し。評価項目間のバランスを改善する。
 このほか、設計価格1000万円以上の工事案件を対象に原則、制限付き一般競争入札を全面実施する(=本紙10日付け1面既報)。

建通新聞社 静岡支社