NPO法人園芸療法勉強会(島田隆理事長、助川未枝保会長)は、このほど八街市に対して、車椅子の利用者にも楽しめるように工夫したレイズドベッド(上げ床花壇)を寄贈した。
これに対して長谷川健一市長は、「市役所を訪れる多くの市民の目を楽しませ、心を癒してくれることに加え、花や土をいじるという園芸療法に対して興味を持ってもらえれば」とコメント。
今回寄贈したレイズドベッドの名称は「楽らく花だん」。高さは、車椅子利用者の目線に合わせた80pで、同NPO法人が県内産のサンブスギの間伐材を利用して製作した。
車椅子利用者や身体特性を有する高齢者等にとって、地面にかがみ込む園芸作業は、若年層に比べて腰部や脚部への負荷が大きく作用すると考えられるため、作業面の高さを上げることで、車椅子利用者(座位)や高齢者(立位)でも無理のない楽な姿勢で作業が行えるように考案。作業面高と奥行きを計測し、数種類に及ぶ独自のレイズドベッドを千葉大学との共同研究により開発したもの。
今回寄贈したレイズドベッドは、市役所と保健福祉センターの玄関先に各1台設置。管理は、園芸療法に興味がある地元の千葉黎明高校(八街市)の生産ビジネス科の生徒が中心となって行うという。
同NPOでは、この作業により、「身体能力の回復や代理機能の形成などの身体的療法側面、心身バランスや協調性の修復などの訓練療法に役立つ」としており、今後については、八街市にレイズベッドを設置した実績をもとに、県をはじめ県内各市町村への要望活動を展開し、「園芸デイサービスと園芸療法」をブランド化していく方針。
提供:日刊建設タイムズ