北海道建設新聞社
2010/03/05
【北海道】函館市が水産・海洋研究センターの基本設計に着手−10年度
函館市は2010年度、函館国際水産・海洋都市構想の中核的研究拠点施設となる国際水産・海洋総合研究センターの建設に向け基本設計に着手する。発注については、条件付き一般競争の適用を視野に早ければ年度明け4月にも入札する予定。地元設計業者参入に配慮した共同体の活用や施行実績などの要件を含め、関係部局間で検討を進めている。
同構想は、研究機能の戦略的集積や地域企業との連携で生まれる研究成果や革新技術による産業・経済の活性化を目指すもの。センターはその拠点と位置付けられ、旧函館どつく跡地11・3haに整備する仮称・函館マリンサイエンスパークに建設する。
施設構成は、共同利用本館はじめ飼育棟、海洋調査研究施設、海水取水施設を計画している。
規模としては、共用実験室などを設け産学官連携活動拠点とする共同利用本館がRC造で延べ4500m²、飼育実験室や冷蔵・冷凍室、測定室を配置する飼育棟がW造で延べ1350m²、貸し研究室や観測機器保管庫を確保する海洋調査研究施設がS造で延べ1000m²を想定。
海水取水施設は、延べ150m²を見込み、1時間当たりの取水能力約300m³のポンプとろ過設備を設置する予定だ。
これらの施設と受電、上下水道などの基盤整備、外構、土地取得などを含めた概算総事業費には約40億円を試算。合併特例債の充当を考えており、10年度の基本設計に続き11年度には実施設計を進め、12年度の着工を目指している。
10年度予算には、基本設計のほか地質調査、温泉井、埋設物などの調査費に合わせて7750万円を計上。
基本設計の発注は、一般競争を視野に発注部門の財務部調度課、技術部門の都市建設部など関係部局で調整中。海水取水施設といった地元設計業者のノウハウ活用が見込める分野での参入に配慮した共同体の活用も含め検討している。
基本設計には、施設を使用する北大大学院、公立はこだて未来大学など研究機関の意向も反映する方針で、基本設計の着手前には検討委員会を立ち上げる予定だ。