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建通新聞社四国
2010/02/19

【愛媛】一般会計9年ぶりのプラス 県の新年度当初予算案

 愛媛県は、2010年度一般会計当初予算案を発表。総額は前年度当初比2・4%増の5998億7000万円で、当初としては01年度以来、9年ぶりのプラス予算となっている。一方で県は依然として厳しい財政状況を踏まえ、06〜09年度としていた財政構造改革期間の1年延長を決めており、今回の予算編成でも「歳入歳出の全般にわたる見直しを行うとともに財源の重点的・効率的な配分に努めた」と説明。その結果、投資的経費は796億6600万円で同4・2%減となり、ピークだった1994年度の27%の水準にまで落ち込む。ただし09年度2月補正予算案では、国の2次補正予算に基づく「地域活性化・きめ細やかな臨時交付金」などを活用する事業費約37億円を計上しており、これを合わせると前年度当初並みの水準になるという。
 建設関係の予算としては、県立学校校舎の耐震化をはじめとする建築事業費や、JR松山駅付近連続立体交差化など各種基盤整備に向けた経費を計上している。
 歳入面を見ると、「所得」に当たる県税は、企業収益の落ち込みや個人所得と消費活動の低調化などにより1120億円にとどまり、14・9%の大幅減。「貯金」に当たる基金の取り崩しによる繰り入れなども67・5%増の286億円に上り、10年度末の全基金の残高は09年度末から229億円減って60兆3348億円になる見込みだ。
 これらを含む自主財源の総額は2%減、全歳入に占める割合は1・9ポイント下がって41・1%になる。
 依存財源では、「仕送り」に当たる地方交付税(償還時に全額が交付税措置される臨時財政対策債を含む)が、地域雇用創出推進費創設や臨時財政対策債の大幅増額などにより、2228億円と7・2%の大幅増。「借金」に当たる県債(臨時財政対策債を除く)の発行は423億円と3・2%減り、残高も09年度末から217億円減って7209億円になる。
 一方、歳出面を見ると、投資的経費は普通建設事業費が758億円で4・1%減、災害復旧事業費が39億円で4・8%減。普通建設事業費の内訳は、補助事業が352億円で10・7%の大幅減となる一方、単独事業費は295億円で16・8%の大幅増となる。直轄事業負担金は111億円で22・9%減。
 これら投資的経費が歳出全体に占める割合は0・9ポイント下がって13・3%になる。