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北海道建設新聞社
2010/02/18

【北海道】道の10年度予算案、建設投資は3400億円で過去最低水準

 道は17日、2010年度予算案を発表した。一般会計は、09年度当初を2%下回る2兆8181億円。このうち建設投資事業は、国に支払う直轄負担金の大幅減などで22%減の3400億円と、4000億円を割り込み、過去最低水準となった。公共事業は、北海道開発予算の大幅減少が響き、道が国から補助金を受けて実施する補助事業は19%減の1678億円と2000億円を割った。上積みが期待されていた道の投資単独事業は、2次補正予算分を合わせ1007億円で、09年度当初を6%辛うじて上回った。公共事業費が大幅減となった一方で、国の各種交付金事業を活用した基金事業は16事業に635億円を計上。これにより一般施策などの投資的経費は09年度当初に比べ約200億円上回る395億円となっている。岩見沢東高、紋別高2校の大規模改造に着手する。
 10年度の道予算総額は、09年度当初比3%減の3兆4766億円。一般会計が2兆8181億円、特別会計が6585億円。一般会計は2%、特別会計は6.6%それぞれ減少した。
 歳入面では、新政権による地方交付税増額に期待が掛かったものの、地方交付税は、地方財政計画の伸び率を大きく下回る1.2%の減少。道税収入も9%減と厳しい内容となった。10年度予算案では、08年2月に改訂した「新たな行財政改革の取り組み」を踏まえ、一般財源ベースで734億円を縮減。公共事業費などの縮減目標数値をクリアしているが、それでも一般財源ベースで90億円の収支不足が発生している。
 実質公債費比率の試算では、早期健全化基準の25%を下回り、10年度の早期健全化団体入りは避けられたものの、金利を最も高く設定した試算では、17年度に早期健全化団体へ転落するとの試算が出ている。
 10年度の公共事業費を見ると、直轄負担金が09年度当初比42%、金額で507億円減の707億円。国直轄事業の大幅減少と、維持管理費の直轄負担金廃止で大幅減少となったが、09年度に続き90億円の計上を留保している。
 また、補助事業は、同19%減の1678億円。09年度の追加補正分を加えても09年度当初比18%減の1715億円にとどまった。特別対策など単独事業費は、同3%減の917億円。単独事業費は、国の交付金を活用し、補正予算で措置する90億円を加えると1007億円となり、同6%の増額となったが、補助事業などの落ち込みをカバーするまでには至っていない。
 また、新設の社会資本整備総合交付金は、従来の地域活力基盤創造交付金相当額の計上で、09年度当初比17%減の462億円。施設建設は、同18%減の98億円の計上にとどまった。
 主な事業を見ると、新設はなく、学校は、大規模改造が岩見沢東高、紋別高の2校。特別支援学校では、網走養護学校、余市養護学校の2校で大規模改造を実施する。
 10年度の道の予算案は、公共事業費が大幅に減少している一方で、08年度後半から新設が続く国の各種交付金を活用し、16の基金事業予算が計上されている。道が、地域活性化公共投資臨時交付金などを活用し積み立てた基金総額は約1300億円。うち約半分にあたる635億円を10年度当初予算に計上した。
 建設関連の基金事業の主なものは、森林整備加速化・林業再生基金に60億円、緊急雇用創出事業に168億円、小規模老人福祉施設などの整備を支援する介護基盤緊急整備等で39億円、社会福祉施設耐震化に17億円、医療施設耐震化で13億円など。
 公共事業削減による雇用対策では、各建協が実施する本業強化や経営多角化の緊急的な取り組みを支援する「建設業経営体質強化対策事業」を新設。建設業の新分野進出支援事業を拡充する。