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日刊建設タイムズ社
2010/02/10

【千葉】「里山・海水浴場」と「新海岸土地利用」/CCIちば事業コンペ 日大大学院生2組がビジネスモデル発表

 「2009年度建設業経営者講習会及びCCIちば表彰式・ビジネスモデル発表会」(第2回)が8日、サンライズ九十九里の多目的ホールで開かれ、70人余が参加した。
従来は県中央(千葉市)会場のみの開催だったが、本年度はCCIちば(千葉県魅力ある建設事業推進協議会)の建設業ビジネスモデル・コンペ事業において、5件の提案が採択されたことなどから、新たな試みで3会場による開催としたもの。
開催日程は、第1回目を先月22日に県南(木更津市)会場で実施。今回の県東(九十九里町)会場に引き続き、第3回目を今月15日に、千葉市の京葉銀行文化プラザ・音楽ホール(県中央会場)で行う。
この日は「CCIちばの部」と「経営者講習会の部」で構成。前段のCCIちばの部を「建設業ビジネスモデル発表会」とし、コンペで提案が採択された中から、日本大学大学院理工学研究科海洋建築工学専攻の『海水浴場のサイトリノベーションから展開するまちづくり』と、同科不動産科学専攻の『千葉県海岸観光戦略に資する新たな海岸土地利用モデルの構築』について発表。
また、後段の経営者講習会の部では、褐嚼ン経営サービスの山下宏道・主席コンサルタントによる『危機を乗り切るためにやるべきことを明確化せよ』と、島田建設且ミ主の島田隆氏による『建設業と地域の元気回復事業事例発表』の2つをテーマに講演が行われた。
  建設業ビジネスモデル発表会のうち、「海水浴場のサイトリノベーションから展開するまちづくり」については、日本大学大学院理工学研究科海洋建築工学専攻1年で、親水工学(畔柳)研究室の木幡諭人君が、事業の背景をはじめ概念及び目的、計画、これまでの取り組み、成果、展望などについて発表。
  引き続き、「千葉県海岸観光戦略に資する新たな海岸土地利用モデルの構築」については、日本大学大学院理工学研究科不動産科学専攻の山下泉さんが発表。
  建設業ビジネスモデル提案の発表後には、2.10県県土整備部の石田秀司理事が講評。「限られた非常に短い時間の中での発表に苦労したと思うが、発表の仕方、プレゼンに対して、非常に慣れていることに関心させられた」と述べたうえで、まず、日本大学大学院理工学研究科海洋建築工学専攻の「海水浴場のサイトリノベーションから展開するまちづくり」については、「さまざまなNPOと積極的に接触し、交流を大切にしながら研究を進めており、学生らしい、積極的なポジティブな姿勢に非常に好感を持った」としたうえで、研究内容については、「前段の『課題となる部分の洗い出し』と『分析』が綿密であり、事業の実現に向けて明確な視野に立った研究を行っているという印象を受けた」とし、このような綿密な分析が「ビジネスモデルに説得力を持たせる結果につながったと思われる」と評した。
  また、メディアへの掲載や千葉の自然を千葉の観光産業へと変えていく点などについては、「全体的な需要と供給のバランス感覚をうまく保った点についても評価したい」と述べた。
  今後については、「事業の実現に向けて、地域の建設業者や実際に事業に対して対応可能な海岸へのアプローチ・深堀に邁進して頂きたい」と要請。
  それらを踏まえて氏は、「今回の研究を通して、千葉の観光事業への発展と里山の管理を両方一辺に行うことができ、その地域に住む人たちが里山管理の手間が省けて他の事業に集中することが出来るような結果になってほしい」との期待感を示した。
  次いで、同科不動産科学専攻の山下泉さんによる「千葉県海岸観光戦略に資する新たな海岸土地利用モデルの構築」については、まず、「千葉県の美しい海岸を観光資源として着目し、事業活性について考えて頂いたことに、行政に携わる者として感謝したい」と弁。
  事業の内容については、「静隠域と侵食域の二本立てという点でインパクトが強く、千葉の観光事業と地域の建設需要の創出に寄与して頂きたい」とし、「それぞれの地域特有の事象を生かした問題的・提案方法の提示などは、資料を通して発表者のやる気を伺い知ることが出来る」と評価。
  一方で氏は、「水域事業者への協力要請には非常に難しいところがあるが、侵食域における結果及び考察について、もう一歩踏み出した議論がほしい。また、成果の内容を次の世代にきちんと引き継ぎが出来るような結果があれば望ましい」との注文を付け加えた。
  最後に氏は、2件の提案について「千葉県の未来を担う皆さんが、このような充実した研究を行っていただいていることに対し、非常に頼もしく感じる」と述べるとともに、「建設産業は厳しい時代と言われているが、建設産業が今後も持続的に発展するためには、皆さんのような若い担い手の知恵、発想がますます大切だと考える。皆さんの今後のご活躍を心より期待したい」と述べ、講評を結んだ。

提供:日刊建設タイムズ