京都市が2日明らかにした総額1兆6554億円の22年度当初予算案では、大規模な公共事業を大幅に削る一方、保育所や特別養護老人ホームなど生活に密着する福祉教育の基盤整備費を倍増させる方針のもとに編成。「生活安心・未来へのトライ予算」として、2月17日開会の2月定例会に上程する。
22年度当初予算案を会計別に見ると、一般会計で7687億円(前年度比10・8%増)、特別会計で6145億円(前年度比5・9%減)、公営企業会計で2722億円(前年度比10・7%減)となっている。
一般会計の増額については、中小企業金融対策預託金(500億円増)、子ども手当及び児童手当(162億円増)、生活保護扶助費(80億円増)によるもので、一般会計の規模も前年度並みで、投資的経費についても、担当局は「前年度並み」としている。
予算案の特徴として、▽市民のいのちと暮らし、安心安全を支える▽京都の未来を切り拓く―の2点を柱に据え、「生活安心・未来へのトライ予算」として編成。「京都の未来を切り拓く」取組みとして、▽環境モデル都市として、わが国・世界を牽引する地球温暖化対策、低炭素社会の構築▽人と公共交通優先の「歩いて楽しいまち」の実現と地下鉄・市バスの利用促進▽未来の京都への先行投資と京都創生―の3点を重点的に取り組むとしている。
「生活安心・未来へのトライ予算」の主な事業は次の通り。
◆市民のいのちと暮らし、安心安全を支える◆
<福祉・子育て支援>
▽保育サービスの充実=13億7353万円
※新設・増築・耐震改修・実施設計各1ヵ所
▽放課後の子どもたちの居場所づくり=3億9550万円
※児童館整備6ヵ所
▽児童養護施設入所児童等自立支援事業=650万円
▽介護保険基盤整備助成=11億6350万円
※13ヵ所を整備
▽学校施設の全棟耐震化=31億1092万8000円
<経済・中小企業支援>
▽緊急雇用創出事業=10億1800万円
▽ふるさと雇用再生特別事業=3億0300万円
▽中小企業パワーアッププロジェクト=4470万円
▽中小企業融資制度の新規融資枠拡大=1300億円
◆京都の未来を切り拓く◆
<環境>
▽地球温暖化対策条例の改正及び新計画の策定=800万円
▽平成の京町家普及・促進事業(モデル住宅展示場整備・住宅建設への助成)=3200万円
▽イベント等におけるエコ化の推進=730万円
▽都市緑化事業(街路樹整備)〜道路の森づくり〜=2500万円
※川端通(今出川通〜冷泉通間の1・5q)でケヤキ70〜80本、北大路通(東大路通〜叡山電鉄間 の0・3q)サルスベリ 15本
▽市民の記念植樹奨励制度=170万円
<歩くまち>
▽「歩いて楽しいまちなか戦略」の推進=3000万円
▽「歩いて楽しいまち・京都」観光案内標識アップグレードプロジェクト=500万円
<未来まちづくり>
▽次期京都市基本計画の策定に向けた取組=6200万円
▽岡崎地域活性化ビジョン及び京都会館再整備基本計画の策定=2000万円
▽山ノ内浄水場跡地活用方針の策定=450万円
▽世界遺産・二条城一口城主(本格修理募金事業)=1億0300万円
▽大学との連携による未指定文化財庭園の調査=290万円
▽京都創生PR事業「京あるきin東京」(仮称)=1200万円
▽無電柱化事業=6億0600万円
※22年度整備箇所(0・96q)=上京北野界隈景観整備地区(上七軒通)、清水寺周辺地区(松原通)、上賀茂神社周辺地区(京都京北線ほか※予備設計)、松ヶ崎西山(妙)周辺地区(※21年度2月補正分)