建通新聞社(中部)
2010/02/02
【岐阜】5者が2次審査へ/下呂温泉病院移転新築の設計プロポ
県立下呂温泉病院の移転改築でプロポーザル方式による基本設計者の選定を進めている岐阜県は、1月28日までに第1次審査を終え、審査結果を参加設計事務所に通知した。非公開で行っているため詳細は明らかにされていないが、参加を表明していた12者から5者に絞り込んでおり、この5者で第2次審査(ヒアリング)を行う予定だ。今後は2月中旬までに業務実績報告書の提出を求め、2月下旬にヒアリングを実施し、3月下旬に審査結果の通知と公表を行うことにしている。2010〜11年度の基本・実施設計、12〜13年度建築工事、14年度上期の開院を目指している。
同事業は、建物の全体改築工事から40年以上が経過し、施設の老朽化・狭あい化による診療機能の低下、低い耐震性などの問題を抱え地域の中核病院としての役割を十分に果たすことが困難な状況となっている同病院について、その機能を見直すため移転新築を行い、再整備を図る。既設規模は鉄筋コンクリート造6階建て延べ約1万8500平方b(325床)。設計プロポーザルでは、新病院の基本プランに基づき、延べ面積約1万8500平方b、病床数230床の規模で技術提案を求めている。
基本プランによると、新病院の規模など整備概要は、下呂市森地内の県土地開発公社先行取得地約2万8000平方bを取得し、事業費約88億円を投入じて地上6階程度(免震構造)で延べ約1万8500平方bの新病院を建設する計画。駐車場台数は約500台、このほかヘリポートも見込む。
特徴は、230床のうち約9割を個室化するなど、アメニティとプライバシーを重視し、急性期病院として患者の多様性に対応できる設計とするほか、免震構造で大規模地震時の診療機能の確保を図る。このほかヘリポート設置による急性期医療の機能強化と岐阜地域などの高度・先進医療機関との連携強化、地域医療研修センターの拡充、休憩室・リフレッシュルームの設置による職員の労働環境の向上―などが見込まれている。
設計者選定のための審査は谷口元名古屋大学大学院工学研究科教授を委員長とする7人の審査委員で非公開で実施している。決定後は特定者と10年9月30日までの履行期限で基本設計の契約を行う予定だが、建築・設備・外構などを含み造成工事は含まない業務として契約される。なお、同病院は10年4月から独立行政法人化するため、地方独立行政法人岐阜県立下呂温泉病院と契約することになる。
プロポーザルに参加を表明していた設計事務所の内訳は、一部に辞退もあるが梓設計名古屋支社、石本・山田JV、伊藤喜三郎建築研究所・三菱地所設計・ダイナ建築設計JV、浦野・大阪山田守・野崎JV、大崎設計、岡田新一設計事務所、久米・サニーJV、共同建築設計事務所・葵建築設計事務所・デザインボックスJV、日建・大建JV、安井建築設計事務所名古屋事務所、山下・西JV、横河・岬JV。