静岡県は、国の経済対策(2009年度補正)で実施される災害拠点病院など耐震化整備への助成について、静岡赤十字病院や順天堂静岡病院など4病院の建て替え・増築計画を補助対象に決めた。国から本県への交付決定額は27億8215万9000円。10年度末までの着工が交付の条件(完成は11年度以降でも可)となるため、県では今後、各病院整備の詳細設計に基づき、病院ごとの交付額を決定する。
今回、交付対象となった病院の整備概要は、静岡赤十字病院(静岡市葵区追手町8ノ2)の新別館・新本館整備、順天堂静岡病院(伊豆の国市長岡1129)のD・E棟耐震補強、浜松医大付属病院(浜松市東区半田山1ノ20ノ1)のA・B・C棟耐震補強、共立湊病院(南伊豆町湊674)の移転新築。
県では、国の第1次補正で「医療施設耐震化臨時特例交付金」として1222億円が計上されことを受けて、未耐震建物(Is値0・6未満)を抱える病院に対して希望を募った。この結果、6病院から希望があったが、県への配分が要望額の6割であったため、4病院を交付対象に選定した。
選定理由として、3病院(静岡赤十字、順天堂静岡、浜松医大付属)は、大規模災害時に医療救護活動の最重要拠点となることが考慮された。また、賀茂圏域では最寄りの災害拠点病院(順天堂静岡病院)まで遠距離であるため、最も中核的な病院である共立湊病院に交付する。
病床過剰地域での建て替えの場合、整備する病棟の病院数を10%以上削減することが条件。さらに、医療施設近代化施設整備事業など既存の補助制度との併用は不可となる。各病院では、これらの条件に照らし合わせながら、11年3月までに着工が間に合うよう、設計作業を進めている。
建通新聞社 静岡支社