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北海道建設新聞社
2010/01/25

【北海道】桂沢浄水場の抜本更新−整備費用に100億円超の可能性も

 桂沢水道企業団(企業長・渡辺孝一岩見沢市長)は、老朽化と耐震強度不足が指摘されている桂沢浄水場の更新に向けて、2月下旬にも改築や改修、耐震補強などを視野に入れた将来構想をまとめる。今後、これをたたき台に本格的な整備方針の検討に入る予定。整備内容次第では、100億円を超える大型事業に発展する可能性もある。
 桂沢浄水場は、桂沢ダムを水源に、岩見沢市や美唄市、三笠市へ水道水を供給するため、1958年9月から通水を開始。
 施設は管理棟(RC一部S造、地下2地上2階、延べ7174m²)をはじめ、1日当たり処理量2万m³の沈殿池3基、同1万m³の沈殿池1基、同8000m³のろ過池10池のほか、浄水池、排水池、天日乾燥床などで構成。また、口径700_の導水管7556mなどを保有している。
 給水人口は3市合わせて11万人、給水戸数5万3700戸を抱える。2008年度実績では、1日平均送水量3万4000m³、1日最大送水量3万7700m³、年間送水量124万2100m³を供給している。
 施設は、これまで維持修繕をしながら延命に努めてきたが、老朽化が著しく、抜本的な更新時期にある。
 06年度に人が日常的に多く出入りする一部施設を対象に、日本上下水道設計で実施した耐震診断の結果では管理棟、沈殿池、ろ過池、浄水池で大掛かりな耐震補強が必要と判断された。
 09年度には日本上下水道設計で、耐震補強工法案の検討も実施した。この報告を踏まえながら現在、2月26日完了を目指し、日水コンで「桂沢浄水場将来構想策定調査」を策定中で、将来的な水需要予測も勘案し、改築や耐震補強などを視野に入れ、整備手法ごとの概算事業費の比較提案を受ける。
 将来構想策定調査の結果を基に、企業団では今後、3市や桂沢水道企業団議会、学識経験者などと相談しながら、浄水場の整備方針を固める。
 企業団では「膨大な費用が見込まれるため、財政的な面でも検討しなければならない」と話している。