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建通新聞社(静岡)
2010/01/25

【静岡】静岡市 中山間地域総合振興計画案まとめる

 静岡市は、『山村と都市が共生・共育するまち 静岡』の実現に向け、「静岡市中山間地域総合振興計画(案)」をまとめた。計画期間は2010〜19年度までの10年間。建設関連の主な事業としては、山間地道路の整備をはじめ安倍地区の消防出張所新設、静岡県果樹研究センター誘致事業などを示しており、現在実施している施策を効果的に集約するとともに、全庁的、総合的な視点に立った施策を盛り込んでいる。
 計画案では、大施策として「中山間地域における持続可能なコミュニティづくり」、「安心・安全に暮らせる生活環境の確保」、「中山間地域の資源を活用した産業の振興」、「市街地と中山間地域をつなぐ基盤整備」、「森林の多面的機能の維持・保全」の5つを掲げ、「『中山間地域の存在意義の共有』によるまちの持続的発展」を基本理念としている。
 また「中山間地域集落の再生、生涯元気集落の構築」を重点目標として定め、特徴は、@経営資源の選択と集中に基づくA地域の参加・自発性を尊重し、双方向のコミュニケーションと有機的連携を重視B全庁的・総合的施策を着実に進めるC定期的・継続的進行管理を行い効果的に目標達成する−計画としている。
 計画の対象区域は、葵区が井川、梅ケ島学区、大河内学区、玉川地区、大川地区、清沢地区、中藁科地区、南藁科地区(牧ケ谷除く)、服織西学区(服織学区除く)、足久保学区、松野学区(安倍口学区、美和学区除く)。清水区が庵原地区(伊佐布、杉山、広瀬、茂畑、吉原)、小島地区(小河内、宍原)、両河内(中河内、大平、河内、葛沢、土、西里、布沢、和田島、清地、茂野里、高山)、由比地区(由比入山)。
 中山間地域の存在意義は今後ますます高まり、さらに都市部に先行して人口減少・高齢化が進む地域への対応は、今後の行政運営の政策展開の先駆けとしてその試金石となるもので、同計画は重要な意味をもつ。
 計画案で示した5つの大施策の内、建設関連の主な事業は次の通り。
【中山間地域における持続可能なコミュニティ
づくり】
 ▽ブロードバンド整備事業−ブロードバンドが整備されない地域に対し情報格差を解消し、情報通信の利便性を向上させるための支援を行う
【安心・安全に暮らせる生活環境の確保】
 ▽消防出張所の新設−新東名の事故などへの対応や中山間地域の消防力を強化するため、安倍地区に新設する
【中山間地域の資源を活用した産業の振興】
 ▽農道・林道の整備−農道などの機能強化や基盤整備を図るとともに、木材生産・森林施業に不可欠な林道を整備する
 ▽静岡県果樹研究センター誘致事業−清水区茂畑地区畑総の創設非農用地に静岡県果樹研究センターを誘致し、産地活性化と果樹振興を促進する
【市街地と中山間地域をつなぐ基盤整備】
 ▽山間地道路の整備−山間地の重要な生活基盤である道路について、地域特性を考慮した効率的な整備を図るため、1・5車線的道路整備の手法を取り入れた山間地域道路整備計画に基づき、道路整備を推進する
【森林の多面的機能の維持・保全】
 ▽清流の保全−市民との協働による河川環境アドプトプログラム、環境教育の推進、農業集落排水施設の整備、合併処理浄化槽の設置補助など、清流を保全するための事業を推進する

建通新聞社 静岡支社