川勝平太県知事は、富士山静岡空港直下への東海道新幹線新駅の設置に向けて、今後、準備や研究を進める意向を示した。2025年にリニア中央新幹線が開通する予定であるため、10年後の20年を一つの設置目標に見据えて、空港機能の拡張や新駅整備の在り方を探るもよう。川勝知事は新駅設置による需要拡大を踏まえ、国内線と国際線を分けた「第2空港ターミナルビル」の建設構想も明らかにした。
これまでに川勝知事は、県議会9月定例会の答弁でも新幹線直下型新駅の設置について意欲を見せていた。川勝知事が本部長を務める「空港の利用拡大を目指す戦略会議」や「静岡空港の魅力を高める有識者会議」でも、新駅のアイデアや要望が出されている。
15日に開かれた県議会自民党県議団の政策要望の席では、空港の拡充工事の可能性など、さらに踏み込んだ構想を示した。
現在、25年の開通を目指して、JR東海がリニア新幹線の整備を計画している。川勝知事は「開通後、現在の東海道新幹線の乗客数が減少することも考えられる。沿線乗客の利便性を考えることが必要」と設置の必要性を強調した。
県では石川嘉延前知事時代から、新幹線直下型新駅の設置を要望してきた。しかし、JR東海からは「ダイヤ編成や技術的見地から実現は困難」との見解が示されている。
整備手法や規模については、空港の需要動向などを踏まえ、長期的な視野に立って検討する方針だ。空港第2ターミナルビルの建設についても、新駅設置を前提に、規模や機能など整備の在り方を探っていく。
建通新聞社 静岡支社