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北海道建設新聞社
2010/01/19

【北海道】優れた技術を民間から−開発局が発表の場提供

 北海道開発局は、2月に開く北海道開発局技術研究発表会で、特別セッションとして「社会ニーズに合致した新技術等の発表」を実施する。同局としては初めての試みとなるもので、事業実施上必要な関連技術を民間から「公募」し、技術開発のニーズとシーズのマッチングを図り、同局でも積極的な活用を進めることで、優れた技術を持つ企業を支援する。開発局では「自社製品や技術の売り込み、行政ニーズの把握ができる絶好の機会。積極的に応募してほしい」(技術管理課)と話している。
 開発局では、北海道開発事業にかかわる諸問題に関する調査、研究の成果を発表し、技術などの向上・普及を図ることを目的として、毎年技術研究発表会を開催している。半世紀を歴史を持つ発表会では、これまで官側の技術発表が中心だったが、今回初めて民間を対象に、12項目の技術課題を提示した上で、これらに関する技術を「公募」し、選考の上、特別セッションで発表の場を提供する。
 開発局では、今回の取り組みを「技術開発におけるニーズとシーズのマッチング」と位置付け、発表の場の提供にとどまらず、現場での採用や監督員への周知、ホームページを使った対外的なPRなどを行い、優れた技術を持つ企業の経営支援を、発注者として全面的に展開する。
 公募するテーマは、泥炭の再資源化や土壌汚染対策、コンクリート構造物の効率的な劣化診断など多岐にわたる。公募スケジュールは、1月29日までにメールまたは郵送で応募書類を提出。2月5日に書面審査を行い、発表企業を決定し通知する。特別セッションは、2月23日午後1時から北海道開発局研修センターで開催する。
 今回の取り組みに対して、建設業者や開発メーカーなどがビジネスチャンスとしてとらえ、積極的な参加が実現すれば、発注者としても、フォローアップも含めて地元の優れた技術を調達し、品質確保と技術に優れた地場企業の育成につながる。
 開発局では「新技術の売り込みが、営業経費の削減により苦戦する中、発注者などを前に自社製品の売り込み、行政ニーズの把握ができる絶好の機会。新たなユーザー獲得のきっかけとして、積極的に応募してほしい」と呼び掛けている。
 募集要領・申込書は、北海道開発局ホームページ(http://www.hkd.mlit.go.jp/index.html)に掲載されている。
 特別セッションの公募テーマは次の通り。
 ▽河道掘削などで発生する泥炭の再資源化▽河川改修工事などで発見した特定外来生物を他の地域へ拡大しないための技術▽道路改築などの際に発生する重金属・揮発性有機化合物等により汚染された土壌への対策▽浚渫土砂の再利用化▽社会資本整備におけるリサイクル化▽社会資本整備におけるクリーンエネルギーの活用促進▽道路トンネル照明のLED化▽地盤改良(液状化対策)技術▽施設の老朽化による機能回復、長寿命化、ライフサイクルコスト縮減技術▽橋梁の耐震補強▽既存構造物の補強▽コンクリート構造物の効率的な劣化診断