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建設経済新聞社
2010/01/18

【京都】笠取簡易水道を上水道統合 送水管、配水池、ポンプ場など再整備 概算事業費は7億6000万円

 宇治市水道部は、同市東笠取、西笠取及び二尾の一部に給水する笠取簡易水道施設について、上水道へ統合する。それにあわせ老朽化施設の再整備を計画している。国に統合計画を提出後、4月以降に実施設計にとりかかる見通し。

3月までに統合計画提出
4月以降に実施設計を予定


 笠取簡易水道事業は、昭和58年度に認可(給水人口215人、1日最大給水量47・4m3)、翌59年11月から給水を開始。平成9年度に拡張事業(給水人口320人、1日最大給水量151・0m3)を開始し、11年4月に総合野外活動センター・アクトパル宇治、12年6月には二尾地区に給水を開始した。浄水場は笠取第1浄水場が急速ろ過・塩素消毒、笠取第2浄水場が除鉄・除マンガン処理・塩素消毒で平均配水量は122m3/日(19年度実績)。
 このうち、第2浄水場系統の施設は、築造後10年未満であるため概ね健全だが、第1浄水場系統の施設は築造後25年が経過、老朽化が目立つ状況。そうした中、厚生労働省は簡易水道事業の上水道統合を推進しており、21年度までに上水道への統合計画を提出すれば、統合に係る新設・更新の国庫補助が28年度まで受けられる。簡易水道事業の国庫補助は29年度から廃止される見込みであるため、簡易水道事業として継続する場合、施設の改築・更新は市単独で実施する必要に迫られている。
 同市水道部は、水量や水質の課題を解消でき、将来も安定して水を供給できる方法として上水道への統合を選択。今年3月末までに統合計画を厚生労働省に提出する。その後、実施設計を22年度から着手する構え。早ければ22年度中にも一部工事に乗り出す。
 統合計画によると、炭山(上水道)から中継ポンプ場・中継配水池を経由して、二尾配水池(簡易水道)へ上水を送水するルートと、減圧して直接二尾中継ポンプ場へ送水するルートに分割。そこからは、第2浄水場・第4中継ポンプ場を経て第5配水池へ送水、第5配水池から第1浄水場へ送水する。送水管の延長は2q程度。
 同市は、簡易水道事業施設再整備検討業務を21年6月に関西技術コンサルタント京都北事務所(京丹後市)に委託して進めていた。
 統合事業の概算事業費は7億6000万円を見込む。概要は次の通り。
◆土木・建築設備…1億7000万円
 【新設】
▽中継ポンプ場(ポンプ井15m3・中継ポンプ2台)
▽中継配水池(15m3)
▽流量調整弁(二尾配水池流入前1ヵ所)
▽減圧弁(二尾配水池付近1ヵ所)
 【増設】
▽炭山第2加圧ポンプ場(ポンプ井15m3)
▽第4中継ポンプ場(ポンプ井7・5m3)
▽第5配水池(55m3)
◆配水管、配水管付属施設配水管等…2億3000万円
 【新設】
▽送水管φ150炭山高区配水池付近(炭山低区送水管)
▽送水管φ150及びφ100(炭山〜二尾)
▽送水管φ75(第5配水池〜第1浄水場)
◆機械設備、電気設備…3億6000万円
 【更新】
▽炭山系…炭山第1・第2加圧ポンプ、炭山ブースターポンプ(各施設ポンプ2台)
▽第2浄水場(送水ポンプ2台)
▽第4中継ポンプ場(中継ポンプ2台)
▽送水ポンプ盤、計装テレメータ盤
▽遠方監視、中央監視
▽流量計、水位計他