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北海道建設新聞社
2010/01/12

【北海道】真駒内アイスアリーナ、10年度につり天井を耐震改修

 札幌土現は、2010年度に南区の道立真駒内公園内にある真駒内アイスアリーナの耐震改修を計画している。つり天井9500m²の耐震化を実施するとともに、併せてアリーナ廊下部分のアスベストを除去する。事業費には約5億円を見込んでいる。8月にも着工し、年度内の完成を目指す。
 真駒内アイスアリーナは1972年の札幌オリンピック開催に合わせ国が建設した施設で、01年に国から道に移管された。名称は、道有施設でのネーミングライツ(施設命名権)の契約で07年4月から「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」と呼ばれている。
 国からの施設移管の際、外壁などの大規模耐震補強が施されているが、05年8月の宮城沖地震で、仙台市泉区にある屋内プール「スポパーク松森」で、真駒内と同様のつり構造の天井が崩落し、多くの負傷者が出た。この件を受け札幌土現では07年度、構造解析検査を日本データーサービスに委託し実施。
 解析検査の結果、地震の揺れで、つり構造となっている天井が崩落する危険性があることが判明。さらに、アリーナ廊下部分延べ5000m²のコンクリート塗装剤としてアスベストが吹き付けられている可能性があることも分かった。
 そこで、つり天井9500m²の鉄骨補強と耐震化対策とともに、アスベスト除去の実施を計画。耐震に係る実施設計は08年度、アトリエアクで終えている。
 つり天井は、重さや大きさが異なる何枚ものパネルを組み合わせ、鉄骨などで支えている構造のため、地震で縦揺れや横揺れが加わった場合にパネル同士が接合する部分に大きな負荷がかかる可能性がある。耐震化では、負荷が分散するよう天井の形状に合わせ丸く3本、各0・15mのすき間をあける。
 改修工事の実施により、アリーナの使用は10年8月から11年3月まで休止となる予定。