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建通新聞社四国
2010/01/08

【徳島】長安口ダム改造に前年度比40%増 10年度政府予算案

 12月25日に閣議決定された2010年度政府予算案で、長安口ダム改造事業に14億1700万円(全国枠1033億円)が計上された。前年度当初から40・2%の増。国交省はダム事業について見直しを進めていたが、同事業は「既存施設の機能増強を目的としたもの」として、事業を継続して進める対象と認められ、予算計上された。一方で、四国地方整備局が重要要望に挙げていた早明浦ダムの再開発事業は、概算要求に盛り込まれず、新規採択が見送られたもよう。また、県が進めている柴川生活貯水池(柴川ダム)は、事業を継続するか否かの検証対象となっている。
 長安口ダムの改造事業は、那賀川流域の洪水被害の軽減などを目的に▽オリフィスゲートの新設▽減勢工の改造▽選択取水設備の設置などを行い、洪水調節機能等の強化を図るもの。2010年度は放流設備の増設や堆砂除去の進捗が見込まれている。
 同ダムは、堤高85・5b、堤頂長200・7b、堤頂幅4・5b、堤体積28万3000立方bの重力式コンクリートダム。放流設備は、洪水吐ゲート(ローラーゲート)が高さ14・7b、幅10b、6門。低水放流管(スライドゲート)は口径1000_が1門。総貯水容量は5427万8000立方bで、有効貯水容量4349万7000立方b。07年度に県から国に移管され、機能強化を目的とした同事業が新規採択された。当時の計画では、総事業費約400億円を見込んでいる。
 国交省は、全国で行われる136のダム事業のうち、本体工事に着手していないものなど89事業を事業を継続するかどうかを検証する対象とし、県内では補助ダムの柴川生活貯水池が対象となった。これを受けて、徳島県の飯泉嘉門知事は28日の定例記者会見で「長年、地元と計画を積み上げてきたダムなので、地元の意向をしっかりと汲んで対応したい」とコメント。地元自治体となる三好市や住民の意見を踏まえて、見直しなどを判断する考えを明らかにした。
 知事は「治水ダムとして建設するかがポイントになる」とし、「水道水確保のみの目的では、市がほぼ100%を負担する」点を懸念。治水についても「ゼロでいいというわけではない」とした。
 柴川生活貯水池(三好市山城町柴川)の計画規模は、堤頂長108b、堤高40b(常時満水位27・9b)、天端幅5b、堤体積4万1000立方b。形式は、重力式コンクリートダムで、堤頂標高EL291b。総貯水容量は25万2000立方bで、有効貯水容量20万7000立方b、洪水調節容量12万4000立方bを見込んでいる。総事業費は約80億円。(2010/1/8)