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建通新聞社(静岡)
2010/01/08

【静岡】国交省の「建設業と地域の元気回復助成事業」で熱海建協が中心に新交通システムを検討 

  国土交通省が地域建設業と異業種の連携による地域活性化の取り組みを支援する「建設業と地域の元気回復助成事業」の2次募集に採択された「パーク&サイクル・クルーズ(熱海型新交通システム)導入による『観光・防災まちづくり』推進事業」と、「伊豆地域のバリアフリー環境向上に関する事業」の2事業について紹介する(伊豆地域のバリアフリー環境向上に関する事業は13日号掲載)。
 熱海市観光まちづくり・防災まちづくり推進協議会(事業管理者・熱海建設業協会)が提案した、海上タクシーやレンタサイクルを導入し、長期滞在型の世界の保養地づくりに向けた「パーク&サイクル・クルーズ(熱海型新交通システム)導入による『観光・防災まちづくり』」推進事業は、1月から3月に熱海型地域交通システムの検討を行い、4月から11年2月までに「観光のまちづくり」、「防災のまちづくり」の計画を策定する。
 日本を代表する温泉観光地の熱海市を活動拠点とする熱海建設業協会が、その機材や人材、操船ノウハウを活用し、海上タクシー(パーク&サイクル)事業を提案し、熱海市が目指す「長期滞在型の世界の保養地」づくりを行政、観光、商工団体とともに担うことで、建設産業と地域の活性化を目指す。
 熱海型新交通システムは、海上タクシーと電動アシスト型自転車を導入し、観光交流客に対し新しい周遊スタイルを提案するとともに、国道135号をはじめとする市内幹線道路の慢性的な交通渋滞の緩和や排気ガス削減効果など環境に配慮した観光地を目指す。また、観光地の防災体制として、海上タクシーや自転車を利用した防災パトロール、緊急時の初動対応の活用について検討する。
 具体的には、鉄道やバスなどの既存公共交通に加え、海上タクシーや自転車による熱海観光のあり方を検討するとともに、同協会が中心となってサイクリングロードの選定や要整備個所の点検、整備手法の検討を進める。
 パーク&クルーズの実証実験として、熱海港内(横磯〜渚親水公園〜長浜)での社会実験を行い事業化への可能性を探るほか、パーク&サイクルの社会実験では、自転車交通の基盤整備、交通規制のあり方、新交通システム(海上交通・自転車)を定着させるための基盤整備(港湾整備・道路整備)計画の策定、新交通システムを活用した防災体制の計画策定を行政と連携して行う。
 運営体制は、同協会、熱海土木事務所、熱海市、熱海商工会議所、熱海市観光協会が「熱海市観光まちづくり・防災まちづくり推進協議会」を設立。
 実施体制は、同協会が事業管理者として、計画策定と実証実験の主たる実施者。熱海商工会議所、熱海観光協会が計画策定と実証実験に参画する。また、熱海土木事務所と熱海市は事業管理者とともに計画策定、実証実験の主たる実施者として加わる。
 事業管理者の渡辺修熱海建設業協会代表理事は、「観光産業をはじめまち全体が地盤沈下している熱海市の活性化を図り、活気を取り戻したい。我々は防災や基盤整備など協会の得意分野で地域に貢献していく」と計画策定の趣旨を語った。 

建通新聞社 静岡支社