北海道建設新聞社
2010/01/06
【北海道】道の経営革新補助制度、10年度から環境など3分野に特化へ
道経済部は、新分野進出を目指す建設関連企業を対象とした建設業経営革新補助制度について、2010年度から、成長が見込まれる「環境」「健康」「海外進出」の3分野に特化した制度とする方針だ。進出分野を指定していない現行の制度に基づく採択枠も残すが、3分野への進出を目指す企業には一定程度の優位性を持たせる考えだ。
道は02年度以来、新分野進出を後押しする施策を展開。新たな商品開発やマーケティング、販路拡大に取り組む企業に対し、500万円を上限に進出に必要な経費の2分の1までを補助する同制度を05年度からモデル的に開始し、08年度から本格運用してきた。
しかし、補助制度を活用して新分野に進出するも、作った商品が売れないなどの理由で、途中で進出を断念せざるを得ないケースが依然多い。
経済部は09年度に入り、建設関連企業の受注体質からの脱却を促す方策について検討を開始。需要を見極めるノウハウを身に付けさせる一方で、成長が見込まれる環境など3分野への進出促進を図ることが、地域経済を支える建設業の経営環境と雇用環境を守る上で重要と判断した。
環境の分野で想定しているのは、高断熱・高気密住宅づくりや太陽光発電設備の設置販売、樹脂サッシや木製サッシの活用、リサイクルビジネスなど。健康の分野では、居住性の高い住宅づくりなど建設業の技術を応用できる取り組みに加え、グループホームやフィットネスクラブの運営といった、高齢化社会に対応した健康サービスもモデルと位置付けている。海外進出の分野は、東アジアやロシア極東が主なターゲット。上下水道技術や暗渠を中心とした農業土木技術、寒冷地土木建築技術の売り込みを目標としている。
経済部は、3分野への企業進出を促すため、現在の補助上限額や補助率の引き上げ、優先採択枠の設置を検討中で、現在、財政部局との協議を進めている。企業が技術開発や需要を見極めるためのマーケティングを希望する際には、道立工業試験場や道中小企業総合支援センターなどの支援を受けられる措置も講じる。