京都市は24日、京都市の本庁舎で第4回財政健全化推進本部会議を開き、今後、本格化する22年度予算編成に向け、12月時点の一般財源収入総額見込が10月時点の3813億円より40億円程度少ない3770億円程度となることを明らかにした。これで財源不足は約320億円となる。
10月時点で市税収入は2479億円を見込んでいたものが、企業業績の悪化などに伴う市税収入が12月22日現在、30億円程度落ち込み、2450億円と試算。中でも、急激な円高等に伴う企業業績の悪化に伴う市民税法人分が25億円程度を占め、景気後退の影響が顕著に現れた格好となっている。また自動車販売数量の低迷に伴い自動車取得税の減少などにより府税交付金も10億円程度減少すると見込んでいる。
これらに伴って、一般財源収入総額が10月時点の3813億円から12月22日時点で3770億円まで落ち込むとして、財源不足見込額も10月試算の278億円から12月現在では320億円まで膨らみ、さらなる財源不足の解消に着手する構えだ。
財源不足の解消については、職員削減や事務事業の見直しなど京都未来まちづくりプランの改革を着実に進めていくとして、約150億円の財源を確保する。さらに不足する約170億円については、下水道事業における雨水処理負担金の平準化や事務事業の見直しで約60億円を削減する見込み。
残す110億円について、▽全ての予算・事業に聖域を設けず改革を推進▽公営企業会計・特別会計への繰出金も含めた義務費等の枠を縮減▽事業見直しによる局裁量枠の削減▽未来まちづくり推進枠(36億円)の圧縮▽地方交付税の確保など歳入確保の取組み―を進めるとしている。
会議では、委員から「逼迫する財政状況が現場の職員にまで浸透していない」とし、「各自が危機感をもって取り組むような施策を講じる必要がある」とする意見が上がった。
最後に門川大作京都市長が訓示として「難局を乗り切るためにも課題を洗いざらい搾り出し、将来世代に負の遺産を残さぬように全力で取り組んでもらいたい」と呼びかけた。