トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2009/12/17

【北海道】「ストアス不足」で受発注者が緊急会合開き情報共有

 建設資材対策北海道地方協議会は16日、札幌第1合同庁舎で緊急会合を開き、舗装原材料のストレートアスファルトの不足について話し合った。いまだストアス出荷の見通しが不透明なため、アスファルト合材の生産量と舗装の工事量を照らし合わせながら需給バランスを確認するなど、具体的な結論づけは見合わせた。その一方、危機管理の側面から工事の打ち切りや繰り越しの想定を発注機関へ求めるなど、深刻な事態に対する共通認識を受発注の双方で高め、今後も注視することを確認した。
 発注機関は開発局と道、札幌市が出席。関係団体では、北海道舗装事業協会ら舗装3団体のほか、土工協道支部と道建協、日本砕石協会北海道地方本部、日本砂利協会道支部の4組織が参加した。
 会合では、北海道アスファルト合材協会の関根和一常務理事が、ストアス市場の現状などを説明。道内の出荷体制や今後の見通しなどを話した。
 2009年1―3月のアスファルト合材の道内出荷実績は約33万d。対して10年1―3月の需要量は、開発局と道、札幌市を合わせた分だけで約43万dとなる公算。民間や市町村の物件を合わせると3割以上のアップになるのは必至だ。
 こうした状況に対して、道アスファルト合材協会ら関係団体は最悪のシナリオを想定し、工事延期など工期の見直しを発注側へ要請。発注側も危機的な現状を十分理解し、今後の動向を見ながら対応していくことで共通の考えを示した。
 本州では1月以降、舗装工事で最盛期を迎えるため、石油元売り各社も需給バランスの対応に乗り出す可能性が出ている。ただ、ガソリンなど石油製品の需要低迷から、製油所の精製能力の削減は業界を挙げた課題。それだけに、メーカーによる生産の積み増し効果には限定的な見方も強いほか、韓国産ストアスなど割高な輸入品に頼るとコスト負担となり、単品スライドにも影響を及ぼす。
 そのため、同協議会も年明け以降の全国的な市場動向などを注視しながら再度、その手だてを決める運びとなりそうだ。